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Can ゆー defend? 後編 30KB 虐待-普通 悲劇 理不尽 赤子・子供 現代 虐待人間 今までで一番長いです。 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事 『Can ゆー defend? 後編』 一、 地面に染み付いた黒い餡子となった子れいむ。 生前の愛らしい姿は土と混ざり、何処がどの部位だったか、最早皮以外区別がつかない。 まりさの耳には、子れいむのゆっくりできたおうた、そして死ぬ寸前の濁った声が残っていた。 (なんで? おちびちゃんのおうたはとってもかんどうできたのに、なんでにんげんさんはおちびちゃんをあんなひどいめにあわせたの? どうしておちびちゃんがころされなきゃいけないの?) どうしてあのおうたが少年達の心を揺さぶらなかったのか。 まりさなりに考えた結果、結論を出した。 「わかったよ……」 「分かった? 何が?」 顔を上げたまりさの顔は、理不尽に心優しい我が子を奪われた憎しみに染まっていた。 憎しみで相手が殺せたら、と思っているであろう。 「……にんげんさんたちは、どうしようもないげすなんだね!!」 「ゲス?」 「にんげんさんは、あんなにゆっくりしてたかわいいおちびちゃんがうたったとってもじょうずなおうたをきいたのに、もうひとりのおちびちゃんをはなしてくれなかったよ!! ありすにあやまらなかったよ!! それどころかおちびちゃんのおくちをちぎって、おちびちゃんがおうたをうたえないようにして、こ、ころしちゃったんだよ!! これがげすじゃなかったらいったいなんなのぉおおおおお!? どうみたってげすでしょぉおおおおおお!!!」 興奮しているせいで大変聞き取りにくい話だったが、内容を整理するとこういうことだ。 良心の呵責があるならば、あんなに感動的な歌を聴いておいて悔い改めない筈が無い。 すぐさま子れいむの要求を呑み、これまで一家や群れの仲間達に対しての罪を謝罪するのが当然だ。 それなのに少年達は、寛大にも彼等を許そうとした子れいむを惨殺した。 これが鬼畜の所業でなかったら一体なんだと言うのか。 一応、話の筋が通っていないというわけではない。 「ふうん、そんなこと考えてたんだ」 「わかったらおちびちゃんをかえしてよぉおおおおお!! できないでしょ!? ゆっくりはね、しんじゃったらずっとゆっくりしたままなんだよ!? おちびちゃんでもそんなことしってるのに、にんげんさんはわからなかったのぉおおお!?」 「れいむがぽんぽんをいためてうんだのにぃいいいい!!」 「れいみゅのおうたはすごかったんだよ!! あのおうたがもうきけにゃいなんて、しぇかいのそんしつだよ!!」 「ゆぇえええええええええん! おにぇーちゃぁああああん!!」 まりさ一家が拙いながらも死んだ子れいむの命の尊さを少年達に訴えかける。 人間にとってまりさ達ゆっくりの命など、羽のように軽いということにまだ気がついていないのだろうか。 「いや、俺達だって知ってたけど」 「しってておちびちゃんをころしたの!? だったら、にんげんさんはくずだよ!! あくまだよ!! ゆっくりでなしだよ!!」 「当然だ、ゆっくりじゃないからな」 少年達は、命が一度失われたら二度と戻らないことを理解していた。 理解してやったというなら、彼等は救いようの無い極悪人だ。 許してはおけない、しかし、先程自分の攻撃がまったく少年達に通用しなかった事を考えると、どうしても彼等に制裁を加えることに対し二の足を踏んでしまう。 そうなっては無駄死にだ。 (ごめんね、おちびちゃん。まもるっていったのに……。おちびちゃんのかたきもとれないまりさは、だめなおとうさんだよ……) こうなっては、できるだけ下手に出て残りの家族だけでも守るしかない。 腹に据えかねても、まりさは彼等に勝てないのだから。 「に、にんげんさん。まりさたちのだいじなかわいいかわいいおちびちゃんをころしたことは、ゆるしたくないけどゆるしてあげるよ」 「まりさ!?」 れいむがまりさの言葉に驚き声を荒げる。 「れいむはだまっててね! ……まりさだって、ほんとはこんなげすゆるしたくないけど、みんなをまもるためなんだよ!!」 「ゆぅ……」 全身の震えからまりさの苦渋が見て取れる。 屈辱や憎悪を押さえ込み、奥歯を噛み締めていた。 「だから、だからもうまりさたちにかまわないでほしいよ!! まりさたちは、ここでゆっくりしてただけなんだよ!! むしさんやおはなさんをたべて、しずかにくらしてただけだったんだよ!! にんげんさんにめいわくなんてかけてなかったよ!!」 事実上の敗北宣言だった。 「おとーしゃん、こんなのってないよ……」 子まりさは少年の掌の中で悔し涙を流す。 その感触は握っていた少年を不快にさせ、ほんの少しまた力が込められた。 「ゆぎいいいいいい!!」 「おちびちゃん!! まりさは、まりさたちにひどいことしないでっていったよ!! ゆるしたくないけどゆるしてあげるっていったよ!! だからさっさとおちびちゃんをはなしてね!!」 まりさ達からすれば認め難い条件を呑んでやるというのに、なぜこの人間達はまだおちびちゃんを解放しないのだろう。 そういう肝心な所で上から目線な態度が更に状況を悪化させているのに、それを止めようとしない。 「クロボウシ、お前の話には間違いがある。一つは、あのチビ赤リボンのおうたとやらが騒音だということを理解していないことだ」 別の少年が赤ゆ達に近づき、傍にいたれいむが反応できないほどの速度で彼女達を奪い去る。 気がついた時には、赤ちゃん達は少年の手の中にいた。 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!!」」 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!! ……ここきょわいよぉおおお!! おろしちぇええええ!!」」 急に高所に持ち上げられて視線の高さ驚き、状況も理解できず暢気に喜んでいる赤れいむ二匹に怯える赤まりさ二匹、危機感は赤まりさの方が強いようだ。 「あかちゃぁああああん!!」 「れいむのあかちゃんかえせぇえええええ!!」 これで子供達全員がゆん質にされてしまった。 それより、子れいむのおうたが雑音だというのはどういうことか。 ゆっくりしていない人間は芸術に対する感覚すら狂ってしまっているのかもしれない。 「あんなものが歌なら、それこそ鳥の鳴き声の方がましだぜ」 「にんげんさんのおみみはくさってるの!?」 まりさは子れいむの名誉のために少年に反論する。 あれは、確かにゆっくりできたおうただったのだから。 「じゃあ、お前等が言う上手な歌の基準はなんだ?」 「かわいいおちびちゃんがうたったおうたがへたなはずないでしょ!! とりさんなんかといっしょにしないでね!!!」 それはまりさ達にとっての確定事項。 多少親馬鹿の贔屓目もあるが、ゆっくりにとって自分達がゆっくりした生活をしているということは存在意義にも関わることで、おうたはいわば“文化”なのだから。 時々聞こえる鳥さんのおうたは、五月蝿いだけでちっともゆっくりできない。 「おもいっきり身内贔屓じゃん。それを言うなら、お前等ナマクビマンジュウごときが出す雑音と歌を混同するなよ」 少年は赤れいむの一匹の左右のもみあげをつまみ、振り子のように揺らし始める。 前後への運動を加えらることで赤れいむのもみあげには自身の全体重が掛かるが、双方のもみあげを掴んでいるので負荷は分散されすぐに千切れるほどではなく、長く悲鳴と痛みに耐える表情を楽しめる。 主にれいむ種とぱちゅりー種に使われる緩めの虐待方法だ。 「いぢゃいいいいいいっ!! れーみ゛ゅのもみあげしゃんちぎれちゃぅううううう!!! おにぇがいだからはにゃしちぇえええええ!!!」 「手、離してやってもいいけどさ。そしたらお前落ちるぞ? 痛いぞ? それでもいいって言うんなら離してやるけど」 赤れいむは尻をぷりんぷりんと振って痛がる。 自慢のゆっくりしたもみあげは、今や己を苦しめる枷となっているのだ。 そして、言われたように少年の手から落ちたらどうなるだろうか? (ちにちゃくにゃい!! れーみゅはおにぇーちゃんみちゃいにちにちゃくにゃいよ!!) 姉のように、ぐしゃぐしゃに潰れてしまうのだろう。 赤れいむも己の危機に気がつき、少年に命乞いをする。 「はにゃさにゃいでぇえええええ!! おちたりゃれーみゅちんじゃうよぉおおお!!」 「ほほう、ならばもっと強く、落ちないように引っ張ってやろう」 ぐいっ、とさらにもみあげが引っ張られる。 髪の根元が何本か抜ける感触がした。 「ゆびぃいいいいい!!」 「おお、いい声だ。お前、お姉ちゃんなんかよりよっぽど歌上手いんじゃね? 俺等はこっちの方が好みだぞ」 赤れいむの悲鳴は、少年達にとっての音楽。 少なくともおうたのような雑音より楽しめることは間違いない。 「いたがってるよ!! やめてあげてね!!!」 「あかちゃんがないてるでしょぉおおおおお!! それのどこがおうたなのぉおおおおお!?」 まりさとれいむの訴えは通じない。 やがて、耐久力の限界に達したもみあげが遂に音を立てて両方とも千切れた。 「ゆ゛ぅううっ!!!」 赤れいむは宙を舞う感覚を一瞬味わい、柔らかい背中から地面に落ちた。 ぺしゃっ、という軽い音だが、赤れいむにとっては体内の餡子が全て吐き出されそうなほどの衝撃である。 その口の端からは黒い餡子が流れ始めた。 子れいむのもみあげを持った少年は、まるでゴミのようにそれらを放り捨てる。 「あかちゃぁああああんっ!!! なおってね!! ゆっくりしないでなおってね!!」 まだ赤れいむには息がある、手遅れではない。 今度こそ可愛い子供を死なせるものか。 「れいむはあかちゃんをぺーろぺーろしてなおしてあげてね!! まりさはそっとあかちゃんをひっくりかえすよ!!」 「わかったよ!!」 少年達はまりさ達の行動を阻みはしない。 無力なゆっくりがどこまで希望を捨てずにいられるか楽しんでいるのだ。 それゆえまりさとれいむだけはあえて捕獲しておらず、自由に動けるようにしている。 一応ゆん質がいるのだから無謀な行動はしないだろうし、逃げたら逃げたで楽しめるのだ。 「まりさのあかちゃん!!! まりさがたすけてあげるからね!!!」 まりさ達には家族愛という概念があるのか、子供を見捨てるようなことはせずひたすら傷ついた赤ちゃんを助けようとしている。 親としてはそれでいいのかもしれないが、さっさと見捨てて逃げ出して、また新しい子供を作った方が生存率が高い。 どうしようもなく貧弱なナマモノとしては、自分達の能力を弁えていない間違った生き方だ。 「おちょー、しゃ、れーみゅ、いちゃい……」 「あかちゃん!! いたいのいたいのとんでけー、だよ!!!」 「ぺーろぺーろ!!! あかちゃんのせなかさんはゆっくりしてね!!!」 もみあげを失い、すっかりゆっくりできない風貌になった赤れいむ。 そんな子にも変わらぬ愛情を示すまりさ達。 「間違い二つ目。お前等ちっとも可愛くないから」 「ふざけたこといわないでね!! まりさとれいむのおちびちゃんたちはみんなかわいいんだよ!!!」 「ふーん。なら、今そこに転がってる汚いのは本当に可愛いのか?」 「「ゆっ!?」」 少年の問いに即答できなかったまりさとれいむ。 確かに、今の赤れいむはぼろぼろでとても可愛いとは言えない。 もみあげはなく、飾りも汚れてしまっている。 だがここで即座に否定しないということは、少年の言葉を認めてしまっているのと同義。 「……れーみゅ、きゃわいくにゃいにょ? ……れーみゅ、いらにゃいこにゃにょ?」 赤れいむは何も言わない両親に縋るような瞳を向ける。 ここで自分の存在を認められなかったらどうしようと、その瞳は不安で涙に濡れていた。 「そ、そんなことないよ!! ま、まりさのあかちゃんがかわいくないなんてことないよ!!」 「も、もみあげさんがなくてゆっくりできなくなっちゃったけど、それでもれいむのあかちゃんなんだよ!!」 「俺は、こいつが可愛いかどうかを聞いたんだ。もう一回聞くぞ、本当に可愛いのか?」 両親は必死に少ない語彙の中から言葉を捜し、場を取り繕おうとする。 だが、少年は灰色の回答を許さなかった。 あくまでも今の赤れいむが可愛いかそうでないかということだけを尋ねる。 「ゆぅ……」 「可愛くないとは言いたくない、けど、どう見ても可愛いとは言えないんだな。 よかったな、ちび赤リボン。お前が可愛くないことはお前のお父さん達のお墨付きだぞ。自分が可愛くない事が分かっただろ? そんなお前は、生きる価値が無いんだよ。りきゃいできりゅ?」 ストレートな悪意はそのまま赤れいむへの害となり、未熟な精神を傷つけた。 大好きな両親に自分の存在を肯定してもらえず、瞳からは生気が失われる。 生きようとする意志が感じられなくなり、 「あかちゃぁあああん!! おねんねしちゃだめだよ!! いまおねんねすると、ずっとゆっくりしちゃうんだよぉおおお!?」 赤れいむはゆっくりと瞼を閉じていく。 眠くてしょうがないのだ。 それに、さっきから背中から熱い何かが漏れ出していた。 「まりさ!!! おちびちゃんのあんこさんがとまってくれないよおおお!!!」 たたでさえ薄い赤ゆの皮は、衝撃ですっかり脆くなっていた。 そんな部分を懸命に舐めたらどうなるか、れいむは我が子を救おうと必死だったのだろうが、それは赤れいむの命を縮めるだけだった。 唾液が皮をふやけさせ、舌は皮を破ってしまったのである。 「れーみゅ、おねんね、しゅるにぇ……」 少しの間寝息を立てた後、赤れいむは静かに逝った。 その死に顔は、本来自分を優しく包み込んでくれる筈の両親から否定されたことによる諦観がはっきりと現れていた。 二、 赤れいむが死んだことを認められないまりさとれいむは、その亡骸の前で呆然としていた。 「こいつ等自分で子供に止め刺してやんの!」 「可哀想だねー」 何を言う、赤ちゃんに大怪我をさせたのはお前達じゃないか。 あんなに痛そうに泣いて、もみあげだってお前達が奪ったんじゃないか。 「ゆがぁあああああああああっ!! あかちゃんがしんだのはにんげんさんたちのせいでしょぉおおお!? まりさとれいむは、あかちゃんをたすけようとしただけだったのに!!」 肉体的な死因は主に少年達によるものだが、赤れいむが真に絶望したのは両親からの否定だったことをあくまでも理解しようとしない。 もう少し思い知らせてやる前に希望を与えてやろうと、少年達は子まりさを解放することにした。 「ほれ」 「ゆ? おとーしゃぁああああん! おかあしゃぁああああん! まりしゃこわかったよぉおおお!!」 そっと地面に降ろされた子まりさは、振り返ると両親の元に跳ねていった。 よほど怖かったのだろう。 「おちびちゃん! よしよし、よくがまんしたね!」 「おとーしゃん、れいみゅが、まりしゃのいもうとがぁああああ!!」 子れいむと赤れいむの死を悼む子まりさは、れいむのもみあげに撫でられながら嗚咽を漏らす。 自慢の俊足が敗れ、二人の妹達は殺されてしまった。 でも、絶対に人間には敵わないのだ。 純粋なスピードだけなら負けないのに。 「おい、小さいクロボウシ。ゲームをしよう」 「ま、まりしゃになんのようなにょ?」 「お前、俊足が自慢なんだってなぁ? だったらご自慢のスピードでこいつを助けてみろよ」 少年達の一人が子まりさを指名する。 その指先には、一緒に追いかけっこをして遊んだ妹の赤まりさが握られていた。 「おにぇーちゃぁあああん!! まりちゃをたちゅけちぇにぇえええええええ!!!」 「いもうとをいじめないでにぇ!! まりしゃにできることならするから、はやくたすけてあげてにぇ!!」 「まあまあ、話を聞けよ。ルールは簡単だ、こいつを落とす。それをお前が受け止めればこいつは返してやる。 でも、落ちる前にお前が受け止められなかったらそのまま地面に激突。単純だろ?」 子まりさは今度こそ自分の土俵で勝負できると思った。 なるほど、これなら勝敗を決めるのは純粋にスピードのみでそこに何らかの不正が介入する余地は無い。 人間の恐ろしいほどの力だって関係ないのだ、勝つ可能性は充分にある。 でも、もし間に合わなかったら妹は死んでしまうのではないか? 「ちなみに、勝負から逃げたらこいつはすぐ潰す。ゆっくりと、じわじわ苦しめて潰す」 「ゆぴぃ!?」 子まりさの逡巡を見抜いたかのようなタイミングで少年が話を続ける。 赤まりさは明確な処刑宣告に悲鳴を上げ、それが子まりさに決断をさせた。 「わかったよ! まりしゃ、やるよ!! にんげんしゃんにかっていもうとをとりもどすよ!!」 「そうこなっくっちゃ」 「おちびちゃん! まりさがかわるよ!!」 「駄目駄目、親の介入は禁止」 見かねたまりさが代わりに勝負を受けようとするが、それは不可能である。 これは、子まりさ自身が持つ“俊足”に対する自信をぶち壊すための遊び(ゲーム)なのだから。 「いいか、この線の後ろからスタートしろ」 「わかったよ!」 少年は地面にバットで一本の線を引き、スタートラインを作る。 そこと赤まりさの落下点と思われる場所はそう距離があるわけではなく、そんなに無茶な条件ではないと感じられた。 「俺が腕を振り上げたらスタートしていいぞ」 「かんたんだにぇ! にんげんしゃんに、こんどこそまりしゃのしゅんそくのしんかをみせてあげるよ!!」 子まりさは自信満々で、赤まりさにも笑顔を振り撒く。 「もうちょっとまっててにぇ! おねーちゃんのおぼうしさんでやさしくうけとめてあげりゅよ!!」 「ゆゆーん! おにぇーちゃんありがちょー!!」 赤まりさは大好きな姉に全幅の信頼を向け、自分が助かると疑ってすらいない。 「おちびちゃんならできるよ!」 「がんばってね! れいむたちがついてるよ!!」 まりさとれいむも、ゲームの条件が酷い物ではないと思ったのか、子まりさに全て任せる事にしたらしい。 自分達がしゃしゃり出て人間の機嫌を損ねたらいけないと判断したようだ。 「それじゃ、いくぞ」 少年が腕をゆっくりと振り被って赤まりさを自分の頭上まで持ち上げようとする。 赤まりさは先程よりさらに高くなった視界から見える世界に驚くが、これも姉が自分を助けてくれるまでの辛抱だと思って楽しむことにしたようだ。 (しゅっごくたかいにぇ!!) またスタートでの加速のために身体を曲げていた子まりさも、妹達をこ全ての方法で助け出してみせる、と考えていた。 自分が勝ったら人間さんは悔しがる筈、その後に挑発すれば、自分に有利なこのゲームを継続させる事ができる、と。 「ゆぅっ……!」 遂に少年の腕が頂上に達する。 それがスタートの合図となり、ほぼ同時に子まりさは走り出した。 フライングではなく、ほぼ完璧なスタート。 このまま順調に行けば、赤まりさが落ちてくる前に落下予測地点へと先回りできて悠々と妹を受け止められる。 だが、 「大地にっ、還れぇえええええええっ!!!」 「おしょりゃびゅっ!?」 少年は全力で赤まりさを握った腕を振り下ろし、彼女を落下予測地点へと寸分の狂いもなく投げた。 それは、もう投げるどころか叩きつけると言った方が正しかっただろう。 ゆっくり程度の反応速度では追いつくことすら許されず、赤まりさは地面に餡子色の花を咲かせ、数テンポ遅れてそこに到達した姉の顔にべったりと中身を付着させた。 風圧で、赤まりさのものだった帽子がやや離れた場所に落ちる。 「綺麗に弾けたな」 「ゆ? ま、まりしゃのいもうとは……?」 確かに妹は少年の手から離れた、それは分かっている。 なら、ここにいなくてはいけない赤まりさは一体何処に消えてしまったのか。 子まりさはきょろきょろと前後左右にせわしなく顔を向ける。 それは、赤まりさが潰れた瞬間を視認してしまったことを誤魔化す為の虚しい行為であった。 「あ、あかぢゃんがぁあああああ!?」 「ひどいぃいいいいい!! またしんじゃったよぉおおおおお!!!」 後ろから見守っていたまりさとれいむは、三匹めの我が子が殺されたことを嘆く。 両親の言葉を聞いた子まりさも、赤まりさが死んだことをようやく認めた。 「まりしゃは、しゅんそくで……。はやくて……。いもうともたすけて……」 自分の俊足は、肝心な時に何の役にも立たなかった。 なら、こんなあんよに何の意味があるのだろう。 妹一人すら救えない、こんなあんよに。 「何が俊足だよ。全然駄目じゃん」 「……ゆぐっ」 「そんなスピードでよく助けるだとか守るとか言えたもんだ、笑わせる」 「ゆぇええええええん!!!」 恥も外聞もなく、子まりさは泣き叫んだ。 信じていたものが、誇りが、思い上がりが打ち砕かれ、後には何も残らない。 「そんな役立たずな足は……」 「ゆえっ?」 少年の一人が子まりさを摘み上げると、そのあんよと顔の境目にハサミの刃を滑らせる。 「ゆひぃっ!!」 冷たい金属の感触は無機質な恐怖感を与えるものだった。 その刃にはクリームがついていてべとべとしており、子まりさの前にも誰かゆっくりがゆっくりできない目に遭わされたのだろうと分かってしまった。 そして、勢い良く刃は子まりさのあんよを切断する。 「ゆ゛ぎゃぁああああああっ!!!」 ざくっ、と小気味良い音がした後には、子まりさのあんよは体から離れていた。 「まりじゃの、まりじゃのがもじかのようなびぎゃぐがぁあああああ!!!」 己の命とお飾りと、同じくらい大切なあんよ。 それは永遠に子まりさから奪われた。 「いらないよなぁ?」 あんよは地面に投げ捨てられると、少年に踏まれ執拗なまでに磨り潰される。 よほどゆっくり風情に速さが足りないと侮辱されたことが頭にきたのだろう。 「まりざゆずりではんざむなおちびぢゃんの、ずまーどなあんよぐぅぁあああああ!!!」 「どぼじでごんなごどずるのぉおおおおお!?」 「勝負に負けたから罰ゲーム」 「そんなごどぎいでないよぉおおお!?」 「そりゃそうだ、今初めて言ったんだから」 両親の相手はほどほどに切り上げ、子まりさの餡子が零れ落ちないように地面に降ろす。 その際に、中身が直に地面と接触するような置き方をし、子まりさに苦痛を与える。 「い゛っ! い゛っ!!」 人間で言うなら、腰から下を切り落とされて臓器が露出したものを何の手当ても受けず、雑菌だらけの地面に置かれると言った方がその痛みの程度が伝わりやすいだろうか。 気が狂いそうな痛みが断続的に続き、今にも体を揺すって暴れたくなる衝動を必死に抑える子まりさ。 中身が失われたら、それは己の死に繋がることを本能的に分かっているのだろうか。 「でかいのに忠告するぞ。そいつ、下手に動かすと死ぬから」 「「ゆ゛うっ!?」」 まさに子まりさへと駆け出す寸前だった両親は、少年の忠告を聞いて思い止まる。 さっき赤れいむを過失によって死なせてしまったばかりなのだ。 「じゃあどうすれば……」 「放っておけば?」 自分がしておいて実に無責任なことを言う。 しかし、子まりさを少しでも長く現世に留めておきたいならば放っておく事が一番だった。 ゆっくりの治療などではかえってずっとゆっくりさせてしまうことになりかねないからだ。 ただ、それが本当に子まりさへの愛情になるかは疑問が残る。 一刻も早く楽にしてあげたほうが良いのかもしれない。 「そうそう、間違い三つ目。お前等、俺達に迷惑掛けてないって言ったな?」 「そ、そうだよ!! なのにどうしてこんな」 「生きてるだけで迷惑なんだよ。俺達だけじゃなくて、この地球上の生き物皆にとって」 「「ゆゆゆっ!?」」 それを言うなら人間もある意味ゆっくりと同じ部類に分類されるかもしれない。 だが幼い少年達は、まるで何処かの国のように彼等だけの理屈を強引にまりさ達へと押し付ける。 「そうだ、今俺達地球防衛軍ごっこやってるんだよな」 「うん。やっぱりこいつ等駆除するのって、地球の為になるんだね」 「善は急げだ、他のも手っ取り早く始末しよう」 のた打ち回って苦しむ子まりさを尻目に、少年達は淡々と“遊び”の続きの為の準備を始めた。 三、 五体満足な子供達は、赤れいむと赤まりさが一匹ずつ。 少年達は二匹を見比べると、赤れいむをチョイスした。 「赤リボンにしよう。さっきの奴の雑音がまだ耳に残っててすっげーむかつくから」 「どうちてぇえええええ!?」 子れいむの渾身のおうたは、赤れいむに八つ当たりの矛先を向けさせてしまった。 とんでもないとばっちりである。 「きゃわいいれーみゅがこまってりゅんだよぉおおお!!! おちょーしゃんもおかーしゃんもどーちてたちゅけてくれにゃいにょぉおおお!?」 他力本願だが、無力な赤ゆにとって両親はこの場で唯一頼れる存在なのだ。 姉達の内一人は死に、もう一人はかろうじて生きてはいるが動けない状態とどうしようもない。 「おねがいです!! れいむににたおちびちゃんはもう、そのあかちゃんしかいないんですぅううう!!! だからころさないでくださいぃいいい!!!」 自分に似た可愛い娘はもう赤れいむしかいない。 必死で何度も土下座をするれいむ。 上から目線だった言葉遣いも敬語になり、今までとは違う。 「分かったよ。殺さなきゃいいんだな?」 「はい! ありがどうございまずぅううう!!!」 「何勘違いしてやがる」 「ゆ?」 少年は正義の味方というより悪人らしい笑顔を浮かべると、赤れいむを持って近くに生えている木まで近付く。 「にゃにしゅるにょ!?」 「お前のお母さんが泣いて頼むもんだから、死刑だけは勘弁してやるよ」 丁度良い細さの枝を探し当てると、 「奥義、百舌鳥の早贄!!!」 「えげぇえええええっ!!!」 赤れいむの口を枝が貫く。 少年が強引に赤れいむを枝に突き通したのだ。 傷ついたのは口と、貫通した背中の傷だけなので餡子は漏れず、すぐに死に至ることはない。 モズは獲物を食べもせず木の枝に突き刺したままにすることがあるという。 この光景はまさしくそれに近いものがあるだろう。 もっとも、残酷さはそれを軽く上回っているが。 「一瞬で殺してやることもできたんだけどな、お前のお母さんが余計なこと言うから」 「れ、れいむのせいなの!?」 「ああ、可哀想に」 棒読みで少年がれいむを非難する。 「れ、れいむはあかちゃんを……」 「次はクロボウシな」 悲嘆に暮れるれいむを無視し、最後の赤ちゃんが標的にされた。 「もう、やめでぇえええ!!!」 「嫌だね」 もう何度懇願しただろう、まりさの願いはまたも黙殺される。 赤まりさは、夫婦にとっての最後の希望なのだ。 唯一五体満足で、少年達が思い止まればこれからもゆっくりできる可能性がある。 子まりさはあんよをうしなってもう動けないし、木の枝に縫いとめられて奇妙なオブジェと化した赤れいむはもう助からない。 だから、この赤ちゃんだけは……! 「痛いことはしない、でも、じわじわ苦しめてやる」 「ひゃみぇひぇひぇ! ひゃいひゃひょおひゅひ!!」 (やめちぇにぇ! まりちゃのおくち!!) チューブのようなものを咥えさせられ喚く赤まりさ。 抵抗していると、チューブの中から苦い液体が放出された。 形容し難い味が口内いっぱいに広がっていく。 (にぎゃいぃいいい!!! まじゅいぃいいい!!! こりぇどくはいっちぇりゅ!!!) 甘味を好むゆっくりの味覚にとって絶対に受け付けない味。 いや、およそ生きとし生けるものにとって、その味を好む物は存在しないだろう。 (こんにゃまじゅいもにょまりちゃにのましゃりゅなんちぇ!!) 文句を言ってやろうと口を開けようとすると、違和感を感じる。 (ゆ!? ゆゆ? ゆゆゆ!?) どうやっても口が開かないのだ。 「成功したか」 赤まりさが口に入れられたもの、それは瞬間接着剤。 口が小さい赤ゆに対してならそんなに多くの量を消費せず、容易に口腔を接着できるのだ。 これで、赤まりさは一生口を開く事ができなくなった。 それは、食事もできないということであり、死を意味する。 「ほれ」 「あかちゃん!!」 まりさの目の前に赤まりさが返還されるがうんともすんとも言わず、ただ涙を流し続けるだけだった。 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 こくり、と体を前に倒す赤まりさ。 我が子達に待ち受ける暗い運命に、まりさは呻いた。 四、 これで、今生きているまりさの子供達の中で無事な者は誰一人いなくなった。 「よくも……」 落ち込んでいるまりさの耳に、これまでに一度も聞いた事が無い程低いれいむの声が聞こえた。 「よくも、れいむのかわいいかわいいおちびちゃんたちをぉおおおおおおっ!!!」 れいむが少年達に向けて特攻していたのだ。 人間に勝てないことはこれまでのことで分かっている、しかし理性を感情が上回ったのだ。 憎しみが導くままに、歯を剥き出しにして少しでも彼等に手傷を負わせてやろうとしたのだ。 おちびちゃん達の苦しみを、少しでも! こんなゲスにおちびちゃん達は理不尽に殺されて、傷つけられたんだ! 「だめだよ……」 まりさは、この次に起こる事を半ば予想していた。 「まって……」 少年がバットを流れるような動作で構えて、れいむが地面を蹴って飛び上がった。 「おねがいだから……」 少年の上半身が捻られ、バットがれいむ目掛けて襲い掛かる。 「やめてぇえええっ!!!」 それは、どちらに向かっての言葉だったのだろうか。 愛するれいむか、はたまた憎き少年か。 いずれにせよ手遅れだった。 「げべぇええええええっ!!!」 吸い込まれるように、れいむの体に少年のバットが直撃した。 上顎から上は衝撃で吹き飛び、後方にいたまりさと赤まりさに餡子や皮がまるでシャワーのように降りかかる。 勢いを失って落ちた下顎はしばらく舌をびくびくと痙攣させていたが、やがてその動きも止まった。 「れいむぅうううううううううううっ!!!」 たった今れいむを撲殺した少年は額を拭う仕草をして、 「正当防衛だからな」 と言った。 まりさは、結局家族を誰一人守れなかったのだ。 「あ……。ゆぁあっ……!」 呆然としている間に帽子が奪われ、ハサミで切り刻まれる。 「これで、お前はもうゆっくりできない」 「……して」 「え?」 「まりさを、まりさたちをころしてください……」 家族を誰一人守れない父親は、存在価値が無いのだ。 子まりさ、赤まりさ、赤れいむも長くはあるまい。 寧ろ、もう生きていたくないのだ。 早くあの世に行ってまた家族で皆仲良く暮らしたい。 今のまりさの願いはそれだけだった。 「どうする?」 「ん~」 少年達は考えながら時計を見て、 「却下」 それだけを告げた。 「……なんで? にんげんさんなら、まりさたちをころすなんてかんたんでしょ!?」 頼みもしないのに散々まりさ達を傷つけて殺したくせに! 「もう疲れた」 「それに、自分から殺してって言われたから萎えた」 「ていうか、飽きた」 「腹減ったし」 子供は飽きっぽいのだ。 勝手な理由で行動し、勝手な理由でそれを止める、自由気儘な存在。 その行動の対象が、今回偶々まりさ達一家やその所属していた群れだっただけの話。 ゆっくりにはどうしようもない、天災みたいなものだ。 「じゃーな」 「生きてたらまた会おうぜ」 「元気でなー」 「楽しかったぜ」 遊ぶだけ遊ぶと、少年達は足早に立ち去って行った。 彼らは家に戻り、暖かい夕食を食べて心地良い疲れと共に熟睡することだろう。 「……ゆ、ゆがぁああああああああああああああああああああああああっ!!!」 後には、ほんの少し前までとてもゆっくりしていたまりさ一家の成れの果てが残された。 五、 緩慢な動作でまりさは動き始めた。 「おちびちゃん……」 子まりさは、蟻に群がられていた。 自慢の俊足もあんよが失われていては逃げられず、餡子が漏れないように体を僅かに揺らすしか抵抗手段はない。 それなのに、蟻は小さい体を生かして地表から直接子まりさの体内に潜り込んで餡子を奪っていくのだ。 「ありざんやめでぇえええ!! まりじゃのあんごもっでがないでぇえええっ!!」 普段は遊び感覚で獲物としていた蟻、そんな矮小な存在に、今自分が捕食されようとしている。 「もうありざんたべまぜん!! だからやめでぇええええ!!!」 内側から侵食される恐怖を味わう子まりさを、まりさは救う事ができない。 子まりさ目当ての夥しい数の蟻から、赤まりさを守ることで手一杯だったのだ。 「おとーじゃんだじゅけでぇえええ!! なんでたじゅげでぐれないのぉおおお!! おがーじゃあああん!! れいみゅぅううう!!」 もう意識が混濁して喚き散らすことしかできず、子まりさは蟻達の栄養となるしかなかった。 真っ黒な塊と化し、声さえ出せなくなりながらも死ぬまでには翌日までかかり、貪られ続けたのである。 「ごめんね……」 赤れいむは、夕暮れ近くになってやってきたカラスにその身を啄ばまれていた。 何でも食べるカラスにとって赤ゆっくりはご馳走である。 「からすさんはおちびちゃんをたべないでね!! ぷくぅううううううっ!!!」 痛む体に鞭打って威嚇をするが、地面から見上げるだけでは当然カラスに太刀打ちできず、赤れいむがカラスの胃に収まるのを黙って見ているだけだった。 「……」 赤まりさを口に入れて巣の中に帰り、眠りにつく。 ご飯を食べる気分ではなかったし、食事ができない赤まりさの前で一人だけ夕食をとるのは憚られたからだ。 そうすれば、今日の事は悪夢で、目が覚めればまたゆっくりした家族の顔があるのだと儚い希望を抱きながら。 六、 目が覚めたまりさはおうちの中を見渡すと、そこには赤まりさしかいなかった。 現実は厳しく、夢ならばどんなによかったか。 「おはようあかちゃん……」 「……」 赤まりさは返事ができなかったが、目線を返す。 やはり食事をしていないから弱っているようだ。 「おとうさんは、だれかいきてるゆっくりがいないかみてくるよ。いいこにしててね」 「……」 外に出ると、昨日の惨劇の爪痕が色濃く残っていた。 れいむと子供達の死体は捕食されて幾らか減ってはいたが、それでも凄惨な光景だった。 「ゆ、ゆげぇえええっ!!!」 まりさはあまりの気分の悪さに餡子を吐き出し、荒い呼吸をする。 ありすの死体も、虫が集って直視できない状態になっていた。 その場から逃げ出すように急いで広場へと向かう。 「みんな、いない……」 そこも似たような有様で、息をしているゆっくりは一匹もいなかった。 比較的まともな形で死んでいるものはまだ良い方だったぐらいだ。 「……」 ありすのおうちだったところにも足を運んでみたが、やはりそこにも絶望しか残っていなかった。 ぱちゅりーは死んでいて、その付近には、彼女とありすの一粒種になる予定だった筈の赤ちゃんらしき死体が転がっているだけ。 これで、まりさの知り合いは皆死んでしまった事になる。 「ただいま……」 とぼとぼとおうちに帰ると、赤まりさは目を閉じていた。 「あかちゃん、おねむなの?」 舌で舐めると、こてん、と転がったまま微動だにしない。 「あかちゃん? おとうさんだよ?」 呼びかけても一向に起きない。 赤まりさは、餓死したのだ。 「みんな、しんじゃったよ……」 おうちは、相変わらず立派だった。 でも、大切な物は。 「れいむも、おちびちゃんたちも、ゆっくりぷれいすもなくなっちゃったよ」 家族や群れのゆっくりした仲間がいてこそのゆっくりプレイス。 「まりさは、なにもまもれなかったよ。やくそくしたのに、まもれなかったよ……。まりさは、まりさは……」 広くなったおうちの中で、まりさの呟きだけが何時までも聞こえていた。 七、 一方、まりさ一家を悲しみが襲った日、家に帰った少年の一人は用意されていた夕食を母親と食べていた。 「今日お父さん遅くなんの?」 「そうみたいね」 「今日はな、俺、地球を守ってたんだぜ」 「この子は訳分からないこと言って……」 溜め息をつく母親に、誤解されないよう分かりやすく説明する。 「えーと、地球防衛軍ごっこだよ。森入ってゆっくり殺して遊んでたんだ」 「何だ、いつもと似たようなことしてただけじゃないの。また大袈裟な」 人間にとって、このようなことは日常茶飯事なのであった。 餡庫始まってもう一年になるんですね。 この道に興味持って半年未満の自分ですが、おめでとう、とだけ言わせて貰います。 ふたば系ゆっくりいじめ保管庫見たら売春婦4に新しい挿絵が! 儚いあき様、有難うございます!! Can ゆー defend? 中編の子れいむのマクロスの奴パクったおうた、あれ自分で口ずさみながらチェックして書いてたんですが、親に聞かれて恥かいたのは黒歴史。 ヤリまむあきでした。 ヤリまむあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る この世にゆっくりが居れば罪のない虫が殺される事もないと思った作品でした -- 2012-02-07 14 08 23 す、す、すっきりーー!!!!めっちゃ最高だよ!!!パネェQNQNだよ!!! あー面白かったww子供の虐待は明るくて後味が爽やかでいいよね! やっぱり変にこった設定や虐待方法がなくても丁寧に心を壊していく虐待は最高だね 話や構成もとても丁寧かつしっかりと練りこまれていて奇抜さ無いけどとても重厚な読み心地でしたw ゲス制裁も面白いけど、やはり私はゆ虐の王道たる善良理不尽虐待が大好きです♪ -- 2011-11-16 06 19 24 鬼威家の親戚の子かな? -- 2011-08-11 19 12 22 ↓中国行ってスナッフビデオでも見てろよエイユウ志望様 -- 2011-07-20 15 33 27 どっちもゲス 人間のクソガキを鬼意山がブチ殺して「お前らクソガキもゆっくりも同じゴミなんだよ!」とか、そういう面白い展開無いかな -- 2011-03-11 19 25 56 子供達がマクロスを汚すなとか言ってるけど、その年齢でマクロスを網羅してるのか?しかも三人とも? にわかのガキがマクロスFだけ見て言ってるんだったら腹立つな。 -- 2011-01-21 21 58 24 ゆっくりできたよー! 童心の遊びってこんな感じか。 昔苛めた虫も喋れればこういう事を言ってたのかな? …いやゆっくりと比べたら虫に失礼か -- 2010-12-05 22 19 35 これは嫌だ -- 2010-10-13 18 30 42 子供たちは善良を自称するゲス饅頭軍団から森の生き物たちを守ったんだよ…… 食べ物がいくらでもあるとのたまう饅頭どものことだ、調子にのって無計画に森の生き物を食い尽くすに違いない 行き詰まった宇宙生物どもはやがて必ず人間の街を侵略するだろう。その危機を未然に防いだんだ -- 2010-09-22 00 34 50 ゆっくりに守れるものなんてあるの? -- 2010-08-31 10 31 21 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 何でか解らないけどこういう台詞が凄くゆっくりできる ピンチのゆっくりが感傷的な台詞を言うのは余裕ありそうで嫌だが、必死な状況確認は胸が熱くなるな 「あかちゃん」というのもGOOD -- 2010-08-18 10 04 16 ゲスいじめは悪をこらしめるってゆーいわゆる勧善懲悪ってかんじだけど善良なゆっくりいじめはほんといじめてる感がある。 -- 2010-08-17 10 15 49 善良なゆっくりのほうが虐待しがいがあると思うな。いかにもいじめてますってかんじがいい。 -- 2010-08-06 10 54 51 ガキうぜぇw 鬼意山の無慈悲な虐待のほうが面白いな -- 2010-08-05 22 30 27 子供って、こういう昆虫を面白がって殺したりするの 一回はやるものですよね。面白かったです。 ゲスなゆっくりだったらもっと良かったかも。 -- 2010-07-23 02 43 17 いいお話でした。ゆっくりー。 -- 2010-07-10 12 11 39 ゴミ掃除くらい誰でもするでしょ -- 2010-06-30 00 44 17 日常茶飯事ってw -- 2010-06-22 16 26 02 ゆっくりできたよ -- 2010-06-14 03 30 16 ゆっくりはどうでもいいけど、このガキがむかつきすぎてゆっくりできないぃいいいい -- 2010-04-17 04 20 52
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ゆっくりを拾ってきた 7KB ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※フリーターお兄さんがあるゆっくりを拾ってきました。どのゆっくりを拾ってきたか推理してください。 ※短いです。 ※あとがきでアンケートがあります。 ゆっくりを拾ってきた 作、長月 ふん、ふ、ふーん。世界の皆様こんにちわ。フリターお兄さんだよ。 今日の俺はとても上機嫌なんだ。鼻歌をくちずさむ、もとい鼻ずさむ程に。 理由はこの手に抱えているゆっくり。仕事から帰る途中空き地にいた見慣れないゆっくりだ。飼ってやろうといったらおとなしくついてきた。 名前は知らないがこいつは確か前に数十万する希少種だとテレビでやっていたやつだ。 こいつをゆっくりシヨップ店員である兄貴に裏ルートで売ってもらえば大もうけだぜ。 そう思うとゆっくりのふてぶてしい顔がいとおしく思えてくるから不思議だ。緑色の髪や変わった帽子もチャーミングに見えるぜ。 ふうやっとアパートに帰ってこれたぜ。俺は手に抱いていたゆっくりを部屋に放す。 ゆっくりは俺の部屋を見回すとやれ汚いだの、ズボンが脱ぎっぱなしだの文句を言い始めた。 不思議饅頭の分際でこの野郎と思ったが、大事な金づるだ。大目に見よう。 このままだとえんえんと文句を言ってそうなのでなにかおもちゃを与えよう。 そう思い俺はおはじきとビー玉をゆっくりに与えた。帰る途中このゆっくりのためにおもちゃ屋で買ったものだ。 しかしゆっくりはそれには興味を示さずなぜかあさっての方向を見ている。 なんだろうと思いそちらを見るとそこには、出しっぱなしにしていたオセロのゲーム盤があった。こないだ兄貴とやったまま出しっぱなしにしていたのだ。 ためしにオセロを与えてみる。 さっきとは違い興味しんしんの様子だ。オセロのコマをひっくり返したりしながら遊んでいる。どうやら気に入ったようだ。 ゆっくりは普通地味なオセロのコマなんかより、きらきらしたおはじきとビー玉を好むものなのに。 おかしなやつだ。 続けて俺はゆっくりが寂しがらないようにぬいぐるみを与えることにした。本来ならつがいのゆっくりを用意したいところだがけんかでもしてこのゆっくりが潰されでもしたら元も子もない。どうせすぐに兄貴が引き取りに来るのだからぬいぐるみで十分だ。 そう思いながら押入れからぬいぐるみを出す。一時期UFOキヤッチャーにはまって、とったぬいぐるみの処分にこまったものだがこんな形で役に立つとは。やっぱりゆっくりの相手だからゆっくりのぬいぐるみがいいよな。 そう思いぬいぐるみをゆっくりの前に並べていく。れいむ、ありす、ちぇん、みょん。通常種オールスターだ。 最初はもじもじと遠目に見ているばかりだったがやはり一匹でさびしかったのかすぐにぬいぐるみにすーりすりし始めた。 そんな姿を横目で見つつ、俺は押入れの奥にまだゆっくりのぬいぐるみがあることに気づいた。 ゆっくりまりさだ。 こいつがいないと通常種オールスターとはいえないな。 そう思い何気なくゆっくりまりさをぬいぐるみたちの列にに加えたところ・・・・ 奴の表情が急速にこわばった。 えっ、と思った瞬間 「までぃさはゆっくりでぎないぃぃぃぃぃ!!!!」 とひきつけを起こしたごとく泣き出した。なんだなんだ、いったいどうしたんだ!?昔まりさにいじめられでもしたのか? 「ゆびぇぇぇぇぇぇん!!!」 とにかくこのままじゃ近所迷惑だ。大家さんに怒られる。 俺は慌ててまりさのぬいぐるみを押入れに隠し、なにかこのゆっくりをあやせるようなものがないか探す。 おっ、これなんかいいんじゃないか。そう思い、ある動物のぬいぐるみを手に取る。 こいつなら老若男女、万人に人気があるからこいつも気に入るはず。 そう思いそのぬいぐるみを奴の前に出す。 「ほーらかわいいパンダちゃんだよー。」 これで泣き止むはずと思ったが 「ゆぎやぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!」 と恐ろしいものでも見たかのように目を見開いて叫び、そのまま白目をむいて気絶した。 結果的静かになったものの・・・何か俺こいつに悪いことしたんだろうか? 俺は気絶したゆっくりの前で首をかしげた。 まあとにかく応急処置のほうが先だ。元気になってからわけはじっくり聞けばいい。 そう思い俺は冷蔵庫からオレンジジュースを探す。ゆっくりはオレンジジュースさえかければ大抵の怪我なんかは治るから安上がりでいい。 冷蔵庫の上から下まで全て見たがオレンジジュースが見あたらない。どうやら昨日飲んだので買い置きは最後だったらしい。オーマイゴッド、なんてこったい。あるものといえばビールや麦茶などゆっくりには飲ませられないものしかない。 しょうがない、これを使うか。俺は冷蔵庫の下の段を開け紙パックを取り出す。本当は今日風呂上りに飲むつもりだったんだけどしかたない。あいつを売った金があればこんなものいくらでも買いなおせる。 こいつなら適度に甘みもあってゆっくりの治療にはもってこいだ。ゆっくりは甘いジュースでも治療できるからな。 俺は紙パックからゆっくりの顔に茶色の液体をすこしづつたらした。効果てきめん。すぐに奴は目を覚ました。 「ゆう・・・おにいさん・・・」 まだ意識ははっきりしていないようだがもう大丈夫だろう。俺は紙パックから少しずつジュースをたらしてやる。 「な・・・なにそれ?」 「なにって・・・コーヒー牛乳だがそれがなにか?」 「うぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 町中に響きわたるような大声をあげ、痙攣するゆっくり。そして 「もっとゆっくりしろくろつけたかった・・・・」 そう言い残しそのまま死んでしまった。 次の日、兄貴は俺に教えてくれた。 こいつがゆっくりえいきと呼ばれるゆっくりであること・・・ 白黒はっきりしないものにアレルギー体質をもっていることを・・・・ 今日の希少種 ゆっくりえいき 希少度 A ゆっくりの群れにおいて裁判官の役割をするゆっくり。こまち種をおともに連れていることもある。 白黒はっきりつけないと気がすまない性質で、説教くさい。 また本作のように「白黒はっきりしないもの」に強いアレルギー体質を持つものもいて、こういった個体にはコーヒー牛乳などは猛毒なので絶対に飲ませてはいけない。 あとがき いつも読んでくれてありがとうがざいます。長月です。前回は「あるまりさの一生」で多くのコメント本当にありがとうございます。 希少種のゆっくりSS作家をめざす長月としては通常種ネタが一番人気があるというのは少し複雑ですが、やはり多くの人に面白いといっていただけるのはうれしいです。 ゆっくりSSに推理の要素を加える今回の試みでしたがいかがだったでしょうか? 補足説明させてもらいますと なぜまりさやパンダのぬいぐるみをいやがるか→白か黒かはっきりしないから。(まりさの通称は白黒) なぜコーヒー牛乳で死んだのか→白(ミルク)か黒(コーヒー)かはっきりしないから。 となっています。 今回はもうひとつ新しい企画として次に長月が書く話を読者の皆さんに選んでもらおうと思います。 読みたい話をコメント欄で書いてもらい、次に書く作品の参考にさせていただくことにしたいと思っています。 (題名は全て仮題です。変わる場合があります) 今自分の考えている話としては 「ある○○○の一生シリーズ」 ?寂しがりやのありすが主人公 「あるありすの一生 偽りの楽園」 ?母性の高いれいむが主人公 「あるれいむ一生 我が子のために」 ?ドスまりさが主人公 「あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ」 その他 ?ある群れに伝わる因習。 「奈落」 ?「またにてゐ」のてゐの過去 「昔々のおはなし」 ?「選ばれしゆっくり」ののーぶるれいむは生きていた。のーぶるれいむの飼いゆっくりになるための秘策とは。 「ゆっくり Change the World」 ?絶対にばれない虐待方法を見つけた男の話 「終わらない悪夢」 以上の話の中から読みたいと思うものがあれば番号をコメントに書いてください。 こんなことしないで全部書けよと思われるかもしれませんが、すいません、遅筆なのでとても全部書く時間がないんです。そのくせ書いてる途中アイデアが出たらそちらのほうを書きたくなるし・・・ たくさんのコメントお待ちしております。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る じゃあれいむもか(紅白饅頭) -- 2016-01-29 17 34 13 えいきっきがあ… -- 2015-08-14 12 45 48 知らなかったとはいええいきをタヒらせたのはもったいないですね -- 2013-06-06 13 41 09 くそぉ、もっと白黒(ryまで気づかなかったorz -- 2012-12-10 00 12 41 コーヒー牛乳は普通のゆっくりでもあぶなくね? -- 2012-06-02 11 33 51 小言の時点ではえいきとかゆうかりんとかのしっかりしてる系かな? オセロの時点でえいきかな?ってなって パンダとゴミ黒白の下りでこれはえいきで決定だな。 ってなる。ちょっとひねりが足りないんじゃないかと思った。 おもしろかったけど。 -- 2011-11-09 02 08 14 そのえーきをこっちによこせ! -- 2011-08-25 07 58 01 えいきっきの中身はイカスミまんだと思う -- 2011-03-13 19 37 56 価値を知らないというのは恐ろしいことだな -- 2011-01-10 18 23 08 緑の髪、変な帽子で、40秒ほど悩んだらえーきが出てきた。10秒ぐらいできづかないとなーとおもったけど、 気付いたでけで俺的には満足 -- 2010-12-11 23 03 11 えいきの中身ってなんだろ? -- 2010-09-12 06 01 28 オセロの時点でバレバレ -- 2010-08-27 00 24 52 えいきっきが…もったいない… -- 2010-06-21 11 39 06
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KPさんのシナリオが出来上がるまで透水の企画、『彩りはじめた季節』を 習作として製作する事になりました。(今回は一本道シナリオです) 2006年12月30日、完成いたしました。 DLはTOPからできます。 あらすじ 何もない日常をなんとなく過ごす主人公の前に突然現れた少女。一変する日常。 そんな日々に疲れ、元の平穏な日常を求める主人公。 しかし、元に戻ったと思われた日常は、平穏でも何でもないただの空虚だった。 登場人物 五十嵐 亮介(イガラシ リョウスケ) 20歳 活発な少年だったが、幼馴染の碧の死から心を閉ざすようになった。 一時は誰とも話すことはおろか、目を合わすことすらしなかったが 浩一のおかげもあり、現在では元通りとは言えないまでも元気を取り戻している。 唯一、浩一だけが本心から信頼できる友人。 大学へ入学してすぐ、両親が仕事の関係で海外へ転勤。 一家で住んでいたマンションにそのまま一人暮らし状態。 講義が終わった後浩一と遊びに行き、別れた先でナンパされて 困っている碧にそっくりな少女を見つけ、思わず助けに入る。 碧にそっくりな結花を放っておけず世話を焼くが、結花を 知れば知るほどに碧のことを強く思い出してしまう。 服装:フードトレーナー+ジーンズ(+ダウンジャケット) 体格:178cm 65kg 佐倉 結花(サクラ ユカ) 18歳 活発で明るくお節介焼き。かなり人懐っこく、ときどき甘えたがる(父親がいないため) 姉の碧に瓜二つ。 3歳の頃に両親が離婚、母の実家へ引き取られることになったので、亮介たちと面識がない。 碧と苗字が違うのは、離婚したときに母方の姓に変えたため。 父が病気で亡くなり、家の片付けを引き受けることになった。 そこで碧が事故に遭う直前に書き、出されることのなかった 結花宛ての手紙を見つけ、姉の代わりに亮介に会いに行く決心をする。 が、亮介がどこに住んでいるのかわからず、駅前で佇んでいたとき ナンパに遭い、偶然亮介が助けに入る。 亮介の名前を聞いて驚き、少し迷うが旅費もあまりなく、 亮介の人柄を知りたいと思い家出中ということにして亮介の家に 泊めてもらおうという大胆な行動に出る。 亮介の人柄や姉への気持ちなどを確かめるつもりで、素性は隠している。 服装:タートルネックorハイネックセーターカーディガン+チェックスカート 体格:159cm 47kg 葉山 碧(ハヤマ ミドリ)故16歳(亮介・浩一と同い年) 幼稚園からの亮介・浩一の幼馴染。 高校生の頃に事故で亡くなっている。 父に引き取られていた。 育った環境の違いか、大人しい性格で控えめなところがあるが、 明るく世話焼きで親しい間柄だけだが人懐っこいのは結花と同じ。 離れていたが、結花とはちょくちょく連絡をとっていて、亮介のことも よく話していた。 中学の頃から亮介と付き合っていたが、幼馴染のせいか恥ずかしがって お互いはっきりと好きだと言ったことはない。 そのことをずっと気にして、結花にもそのことは話していた。 遠藤 浩一 20歳 亮介・碧の幼馴染、閉じこもっていた頃から亮介が唯一心を開いている 存在。 見た目通り軽い振る舞いをしているが、実は情に厚く、友人思い。 奈緒と美緒という双子の妹がいて、病気といっていいほどのシスコン。 碧の死には浩一もショックを受けていたが、ひどく沈む亮介を見て、 助けてやりたいと思い立ち直る。 服装:ブレザージャケット+カーゴパンツ 体格:181cm 69kg 製作スタッフ 『彩りはじめた季節』 設定…………………透水 シナリオ ……………スミス サブシナリオ ……… K.P.、Rabi、SK、hacchi、562 原画 (浩一)…………GAT 原画 (結花)・イベント画…MAG 原画 (双子)…………SK 原画 (デューク) …… hacchi スクリプト……………562 音楽…………………YOU、Rabi 彩色…………………SK 背景…………………hacchi 作業進行状況 企画・シナリオ・ミキシング……透水 進行状況 %・近況-脱退 ・プロット作成 -済 ・街(ミキシング) -済 ・メインテーマ(ミキシング) -済 原画(ユカ)………………MAG 完成! ・立ち絵 100% ・イベント絵 5/6 ・イベント絵ラフ 6/6 スクリプト…………562 進行状況 100%・近況-完成 ・スクリプト作業 -終了 ・サークルまとめ作業-随時作業中 音楽………………YOU 進行状況 %・近況- ・キャンパス用の曲作成中 -現在の完成度は40%ぐらい ・部屋用の曲はあと少しで完成。(このまま使われるかは別として) 音楽………………RaBi 進行状況 ・街 -済 ・悲しい -済 ・回想 -済 ・メインテーマ -済 ・緊迫 -没 彩色………………SK 進行状況 完成! ・彩色(イベント) -6/6 ・立ち絵彩色 -済 ・ネクストアイコン製作 -済 ・HP素材作り -topのみ済 ・HPデザイン -済 ・セーブ画面デザイン中 -済 ・臨時まとめサイト作成-済 ・メッセージウインドウデザインラフ-済 ・メッセージウインドウデザイン-済 背景………………hacchi/はち ◆rXoM1hPf2E 進行状況100%・近況- 完成 ・イメージBG-作業 - 全うp済み。 ・立ち絵背景-全UP済み ・デュークつくってみたり(済) ・フローチャート作成・シナリオ整理(済) ・シナリオ日常部分お手伝い(済) ・タイトルデザイン-済 ・OP用素材-済 ・暫定用タイトル画面&ボタン-済 ・立ち絵背景ラフ-済 ・枯葉素材-済
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CLOUDY 22KB 虐待-凄惨 制裁 観察 悲劇 理不尽 誤解・妬み 駆除 野良ゆ 赤子・子供 都会 現代 人間視点 「CLOUDY」 羽付きあき ・直接的に羽付きまりさは出てきません ・人間視点です ・善良なゆっくりがひどい目にあいますご注意を ・一部何も起きないゆっくりがいます 冬の街。それはそこに暮らす街ゆっくり達にとっては千差万別の季節であった。 越冬をしっかりとして、暖かいおうちの中で思う存分ゆっくりしているゆっくり。 過酷な餌場争いに勝ち抜いたゆっくり、協力し合って群れを作って越冬するゆっくり。 それこそ様々な方法でゆっくり達はそれぞれの冬を過ごしていた。 だが冬を無事過ごせるゆっくりがすべてではない。 街の平均的な越冬成功率は40%ほど。つまり6割のゆっくりは「ゆっくりできなくなる」のである。 往々にして特徴があり、しんぐるまざー、ゲス、捨てゆっくり等がその殆どを占めていると言われている。 街の裏通りを歩けばゆっくりには結構、出会えたりする。といっても冬以外に比べれば滅多にと頭に就くほどであるが。 雨が降った後のどんよりとした曇り空の下、固くシャッターが閉ざされた建物のすぐそばに、三体のゆっくりがもたれかかるようにしてそこにいた。 ボロボロではあるが・・・ありす種の様だ。 バスケットボールサイズのありすが一体。そしてソフトボールほどのサイズの子ありすが二体。 建物自体はシャッターが閉じられて長いのだろう。所々錆びている。 小さな段差に上り、シャッターにもたれるようにして斜めに傾いているのはありすだった。 その飾りは所々解れており、薄汚れて所々が欠けている。 飾りがこんな様子ではそれ以外も大体は察しがつくだろう。 小麦粉の皮は・・・弱っているためか、泥やほこり、所々付いた生傷の周りに黒い汚れが入り込んで全体的に小麦粉の皮は傷んだ印象を受ける。 水飴が小麦粉の皮をテカテカにコーティングしたうえで、そこに泥と埃がついて、さらにその上に解れた糸クズや灰色の綿のような埃の固まりが所々へばりついていた。 寒天の両目は生乾きの様になっておりその目は一様にぼんやりと定まらない目線で宙空を眺めている。 口が軽くあいたその周りには砂糖水の涎の跡が線のように舌に伸びていた。 よく見ればまだ微かに「ゆひゅーゆひゅー」と音がする。完全に物言わぬ饅頭となってはいない様だ。 脇の子ありす二体はどうか?ありすから少し離れたところにいる方の子ありすは完全にカピカピの饅頭になってしまっている。 小麦粉の皮がしぼんでゲッソリとした印象を感じさせる。ぽっかりと空いた口、そしてからからに乾いた寒天の両目。真上近くに向いて倒れているため、ひび割れた鏡モチの様な底部にあにゃるの周りにはうんうん(餡子)がこびりついていた。 ありすの横にくっつくように突っ伏している子ありすの方もカピカピになっているようだ。 地面に突っ伏したまま動かなくなって様で、恐らくありすにすーりすーりをし続けて力尽きたのだろうか今となっては定かではない。 中のカスタードクリームの量が多い分の差がはっきりと出ていることが分かる。 よく見る光景だ。これはいわゆる「れいぱーありす」だろう。 ゲス気質の強いありす種は往々にして他のゆっくりを過度にすっきりして、ありす種以外の実ゆっくりと蔓を食べてしまう。 なので他の街ゆっくりが食べるようなものはあまり食べない。そして何より、通常の街ゆっくりに比べてやや大型なのである。 通常種なのにれみりゃやふらんの様な捕食種の色が強い特殊なゆっくり、それこのれいぱーありすというゆっくりだ。 ではなぜ、滅多に食料に困ることのないれいぱーありすがなぜこの様になっているのか?それは冬という季節が関係している。 冬のゆっくりは越冬をする。これは至極当然の話だ。 当然前述した様に越冬ができるゆっくりは全体の四割だ。これらは総じて冬のはじめには完全に準備が終わって越冬に入っている。 「けっかい」という蓋の様な風除けは他のゆっくりからそこにいるゆっくりをみえなくするといった効果があるのだ。 また、それまで多く街にあぶれたいたあぶれゆっくり達もその姿を冬が過ぎるにつれて姿を消していく。 淘汰されるか、群れを作ってれいぱーありすやゲスゆっくりが手出しできない様になるか・・・ つまりこの時点でれいぱーありすが狙えるのは数が少なくなってしまったゲスゆっくりだけということになる。 当然ゲスゆっくりはれいぱーありすだけによって淘汰されるわけではない。外的要因も相まってますますれいぱーありすを追い詰める。 餌場に行ってみようとも既にそこははあぶれゆっくりに抑えられ、他のゆっくりも姿が見えないし、いたとしても群れ単位で行動するので手出しができない。 その結果周りに回ってこの様に疲弊してしまうというわけだ。 ほっといてもほっとかなくてもこのありす達はもう助からない。たとえオレンジジュースをかけてもそれ以上に疲弊しているからだ。 結構よく見る光景だ。冬はありす、それ以外なら親ゆっくり一体に子ゆっくりが数体といったところか 私はその場を後にして、公園へと向かう。 単に散歩しているだけでも色々な発見がある。それが興味の低いものかそうでないかは置いてだが… この街でのゆっくりと人間の関係はそれこそ様々だ。 人間の手伝いをする賢いゆっくりもいれば、おうち宣言等を無軌道に行うゲスゆっくりもいる。 それらはごく一部だ。大体はその中間の様なゆっくりが大多数を占めており、またこれがある意味ゲスゆっくりなんかよりよっぽど厄介になったりする。 公園に向かう途中で自販機で飲み物を買う。自販機の裏を除けばまりさ種の帽子が大小合わせて数個ほど置かれていた。 主を亡くした帽子はひっそりと誰にも見られることなく置かれている。 これもまた越冬に失敗したゆっくりと言えるだろうか? なぜいなくなってしまったかは今となっては知る術がないようだ。 公園についてベンチに腰かけていると私の少し遠くで三体のゆっくりが等間隔に並んで跳ねていた。 れいむ種が一体にその子ゆっくりだろうか?バスケットボール程の子れいむと子まりさが一体づつといった構成だ。 「ゆゆ!おちびちゃんたち!もうちょっとでおうちにつくよ!いっぱいおべんとうさんややさいさんをむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆっくりわかっちゃよ!」 「きょうはゆっくりしちゃおべんちょうがちぇにはいっちゃんだじぇ!ぱしたしゃんにおこめしゃんにはんばーぐしゃんもありゅんだじぇ!」 ・・・れいむが頭に載せているのはコンビニ弁当の様だ。恐らくゴミ捨て場にでも置かれた賞味期限切れのものか何かだろう。 子まりさの帽子が膨れている。「やさいさん」はあの中に入っているのだろうか?恐らくしなびた野菜くずだろうが… かなり珍しく食料が調達できたようで、一様に「ゆっくり」としながら凱旋するように跳ねて進んでいる。 はしゃぐ子ゆっくり達をなだめるようにれいむが声をかけた。 「ゆふふ!れいむはおやさいさんだけでいいよ!おちびちゃんたちがすきなはんばーぐさんやぽてとさんはおちびちゃんたちでゆっくりなかよくわけてたべてね!」 「まりしゃははんばーぐしゃんとごはんしゃんをちゃべりゅんだじぇ!」 「れいみゅはぽてとしゃんとぱしたしゃんをちゃべりゅよ!」 口々に言い合いながら公園にある公衆トイレの陰に消えていったれいむ達。そこに「おうち」があるのだろうか? 越冬準備ができずに越冬に突入したのか、それとも冬に捨てられた捨てゆっくりかそこらあたりだろう。 この時期に食料集めをしていることが何よりの証だ。 それにしても軽薄過ぎではないだろうか?私は今までこういった類のゆっくりが動くのは朝早くか夕方近くが多いと記憶しているのだが。 かなり珍しいケースだろう真昼間から声を出して動く街ゆっくりというのは。 それにあまりにはしゃぎ過ぎて警戒というものもないようだ。もしゲスゆっくりと鉢合わせすればひとたまりもないだろう。 私がそう思いつつ缶ジュースをちびりちびりと飲んでいると突如先ほどれいむ一家が消えた建物の陰から何かが弧を描いて地面に落ちた。 「「「ゆんやあああああああ!」」」という声が聞こえる。 目を凝らしてみてみると、ダンボール箱ごと蹴飛ばされてゴロゴロと転がる三つの丸い影。 ゲスゆっくりか何かだろうかと思っていたが私の予想は結果的にはずれだ。 ヌッと出てきたのは怒りに顔をゆがませた青年だった。 「ゆ”!?にんげんざん!どぼじでごんなごどずるのおおおお!?でいぶだぢはなにもやっでないよっ!?」 「ゆびぇえええん!きょわいよぉぉおおお!」 「ゆ!ゆっくりおきゃあしゃんをいじめりゅにょをやめりゅんだじぇ!」 寒天の両目を見開いて大きく声を上げるれいむとその後ろで寒天の目から涙を流す子れいむと気丈にも大きく膨れて威嚇する子まりさの姿があった。 「なにもやってねぇだと!?じゃあこの弁当はなんだ!」 青年が怒りの声を上げる。 れいむは声を大にして青年にこう言っていた 「ごれはおがれでだだげだよ!れいむだぢごみばこさんやぶぐろさんにはなにもじでないよ!」 「しょうだじぇ!ゆっきゅりあやまりゅんだじぇ!」 「ぎょうはなにもじでないよぉぉおお!ゆっぎゅりじんじじぇね!」 後から子ゆっくり二体も追従するが、青年はさらに語気を強めてこういった。 「弁当がそこらに置かれてる訳ねぇだろ!ちゃんとゴミ箱に入れるか袋詰めするのが決まりなんだよ!うそつくならマシな嘘をつけ!」 「うぞじゃないゆっぶ!?ゆぎゃあああああ!でいぶのおがおがああああああ!」 れいむの小麦粉の顔面がグニャリと歪んだ。「ドッ」という音に混じって微かに「パキパキ」と音がする。 れいむは餡子を吐き出しながらドシャっと地面に落ちて寒天の両目から砂糖水の涙をダバダバと流して大きく口をあける。 餡子に混じって砂糖細工の歯が折れたようだ。白いものが点々と見える。 「ゆひぃぃいい!いだいいいいい・・・!!でいぶのばがぁぁぁ…!」 苦痛に表情をゆがめるれいむに青年の靴底がさらに降ってくる。 「ゆ”びっ!」 「ここ最近飼いゆっくりを襲ってるのもてめぇらだろっ!袋破るわゴミまき散らすわ散々なことしやがって!やっと見つけたかと思ったらこんなところに居やがったのか!」 青年は何度もれいむを踏みつける。そのたびにれいむの小麦粉の皮がグニャリと動き、餡子が宙を舞う。 「ゆ”びゃっ!いだいいい!ゆぐぅ!ぢが!ぢがうよぼぉっ!」 「加工所が来てからここ一カ月はここら一帯のゆっくりはてめぇらしかいないんだよ!」 「やべぢぇねええええええ!おぎゃあじゃんがいだがっぢぇるよ!やべぢゃあげぢぇねえええええ!」 「ゆっぎゅりやべりゅんだじぇええええええええええ!!」 青年の足元では子ゆっくり二体が体当たりを繰り返しているが全くこたえた様子はない。 青年がれいむを大きく蹴りあげた。ボトッと落ちるとれいむの周りに子ゆっくり二体が集まる。 「ゆ”ひゅー・・・ゆ”ひゅー・・・」 中の餡子が不規則になったのか、小麦粉の皮が膨れ上がり口の端から餡子がついて、ポトポトと落ちている。 グネグネと動くがただ動いているだけの様だ。 青年がふと足元を見る。 「きょ、きょわいよぉぉおおお・・・!」 そこには青年の靴におそろしーしーをぶちまける子れいむの姿があった。 青年のこめかみに青筋が浮かぶ。屈んで子れいむに手を伸ばしたその時に、丸い影が青年の手に飛び付いた。 「ゆ!」 「いっだぁ!?」 青年が声を上げる。手には子まりさがしっかりとかみついていた。 青年の指からは血がポトポトと滴り落ちてきている。相当深い様だ。 「ゆゆ!ゆ!ゆ!」 子まりさは口を離してぽとりと地面に落ちると眉をキリッとさせて青年を見上げた。 「れいみゅ!ゆっきゅりおきゃあしゃんのまわりにいくんだじぇ!」 「ゆ、ゆっきゅりわかっちゃよ!」 「っがぁ!痛"ぇ"ぇ"ぇ"・・・!」 青年は手を押さえて額に汗を浮かべている。 ・・・私はその時直感した。このれいむ一家はもう助からないと。 「おぢびぢゃんゆっぐりにげでね!」 れいむもそれを感じたのか必死に声をあげている。 だが、その意図に反して子ゆっくり二体はれいむの前で大きく体を膨らませ始めた。 「ゆっきゅりどっかいきゅんだじぇ!おきゃあしゃんはまりしゃがまもりゅんだじぇ!」 「れ、れいみゅおきょりゅよ!」 「どぼじでにげないのおおおお!?にんげんざんはづよいんだよ!?」 れいむが声を上げると子まりさは再び眉をキリッとさせてれいむに向けてこういった。 「まりしゃはにんげんしゃんをやっちゅけりゃれりゅんだじぇ!」 「れ、れいみゅもにんげんしゃんをやっちゅけりゅよ!」 子れいむもそれにこたえる。子まりさと子れいむの表情とは対照的にれいむは口を大きく開けて青ざめていた。 青年がゆらりと前に出てきた。その表情はここからではうかがう事は出来ない。 子ゆっくり二体は再び大きく膨れると上を向いて威嚇を始める。 「「ぷくぅーーーーーーーーっ!」」 あらん限りに大きく膨れて子れいむの方はピコピコを上下に激しく動かし始める。 「まりしゃはおこっちゃんだじぇ!それいじょうちかぢゅくちょもういっきゃいがーぶがーぶしゅるんだじぇ!」 「れいみゅもがーぶがーぶしゅるよ!ゆっきゅりどっかいっちぇね!」 「おぢびぢゃんやべでええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 れいむの叫びと同時に青年の足が振り下ろされた。 「ゆ”びょっ!」 「ゆううううううううう!まじじゃのいぼうぢょがああああああ!」 足は子れいむの小麦粉の体の後ろ側に落ちた。行き場を失った餡子が子れいむの前面に急速に押し出されたため、一瞬にして寒天の両目ごと餡子が飛び出し口からも大量の餡子がひり出されてそのまま子れいむはつぶれ饅頭となってしまった。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!でいぶのおぢびぢゃんがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 れいむが寒天の両目を見開き、口を大きく開けて砂糖水の涙と涎をぶちまけながら絶叫する。 子まりさの方はれいむだったつぶれ饅頭を見た瞬間に一瞬にして萎縮してしまい、ブルブルと震え始める。 「ゆ”!で、でいびゅううう・・・!!きょ、ぎょわいんだじぇぇぇ・・・!」 青年が手を押さえたまま子まりさに近づく、それを見てれいむが叫び始めた。 「にんげんざん!ゆっぐりやべでええええええええええ!」 れいむと青年より先に行動したのは子まりさであった。 「ゆびぇええええええん!きょわいんだじぇええええええええ!」 そう叫んで跳ねながらその場を後にしようとする。うんうんとしーしーをまき散らし、砂糖水の涙と涎でグシャグシャになったその表情は先ほどと全く正反対であった。 青年が大きく踏み出す。その場からあまり離れていなかったれいむが口を大きく開けてこういった。 「おちびぢゃん!ゆっぐりじないでれいむのおぐぢのながにばいっでね!」 一心不乱に跳ねる子まりさは聞いてか聞かずか、あっという間に跳ねてれいむの口の中へとはいって行った。 青年の動きが止まる。心なしかプルプル震えてるように私には見えた。 それを好機と見たか、れいむは口をつぐんで大きく膨れると、左右のピコピコを激しく揺らしてこう言った。 「おちびちゃんはれいむがまもるよ!ゆっくりどっかへいってね!」 先ほどのれいむとは思えないほどの意志の強さがそこにあった。れいむ種のぼせいというやつだろうか? 毅然と青年に威嚇を繰り返す。 それを見て青年が大きく足をふって前に出した。 その瞬間青年の靴のつま先がれいむの小麦粉の顔面に吸い込まれる。 「ゆ”っ!」 トランポリンのようにはじけてれいむはその勢いで後ろにグルグルと回る。 だが大きく膨れたままれいむは再びピコピコをふるわせ始めた。 「ぷくぅーーーっ!」 れいむはピコピコを支点にグルグルと左右に揺れながら大きく膨れたままの状態になっている様だ。 「ゆゆ!」 れいむが眉をキリッとさせる。それを見て青年の手がプルプルと震えた、それが怒りによるものなのかどうかは定かではない。 青年はれいむの右側のピコピコをつかむと大きく腕をあげ真下に振り下ろした。 「ゆぐっ!ゆぼっ!ゆぐっ!」 一回、二回、三回と・・・地面に落ちるとピコピコがちぎれてしまった。 青年の靴のつま先がれいむの寒天の右目に突き刺さる。れいむはバネではじかれたように吹っ飛ぶと大きく口をあけて叫び始めた。 「ゆっぎいいいいいい!!でいぶのおべべがああああああああ!!!」 ここからではよく見えないが餡子が飛び散るのを見ると小麦粉の皮が破れたのだろうか? その時に大きく口が開いてしまった様で中から子まりさがコロンと転がったのが見えた。 「ゆ!ゆっきゅりにげりゅんだじぇ!ゆ!ゆ!ゆゆ?」 子まりさが再びれいむの口の中に戻ろうと跳ねる。青年が子まりさをつかもうと片手で手を伸ばしたが、掴んだのは小さな帽子であった。 「まりしゃのおぼうししゃんがあああああ!かえしゅんだじぇえええ!」 帽子がないことに気付いた子まりさが引き返して青年の足元で小麦粉の皮を縦にのーびのーびと伸ばして寒天の両目に砂糖水をためながら舌を伸ばしている。 伸びた舌が小さく左右に振れるが一向に帽子には届かないようだ。 青年の手が子まりさをつかんだ。 「はなしゅんだじぇえええええ!おぼうししゃんかえしゅんだじぇえええええ!」 子まりさは底部を前後に「ぷりんぷりん」とさせている。 青年が大きく腕を振った。 子まりさはそのまま地面へと真っ逆さまに底部から落ちる。潰れたトマトのように地面にのめりこんだように見えた。 「ゆぎゃああああああああ!までぃざのあんよじゃんがあああああああ!」 底部が大きく裂けて餡子が周りにバッと広がっていることがここから見て取れた。 子まりさはそこから張り付いたように動かなくなってしまい、小麦粉の体の上部だけを左右にブルンブルンと振っている。 「あんよざんゆっぐりうごぐんだじぇ!ゆ”!ゆ”!」 幾ら振っても底部は張り付いたように動かない。とうとう子まりさは口を大きく開けてこう叫んだ。 「どぼじでうごがないんだじぇええええええゆ”!?ゆ”ぐぐ・・・!」 青年の足が子まりさの小麦粉の皮に乗った。そのまま徐々に力を入れて言っているようだ。 行き場を失った餡子が下部と上部に行き、底部からズモモ・・・と餡子が出ている。 口から餡子を吐き出しながら顔を左右に振って何やら叫んでいるようだ。 「ゆひぃぃいい・・・!ちゅぶれりゅんだじぇえええええええ・・・!」 青年の足が一挙に落ちた。 「ゆ”!?」 子まりさが声を上げる。 ここから私が見た限りでは子まりさの下部部分が切り離されたようだ。 「おぢびぢゃんんんんんんんん!!」 れいむが子まりさの方に近づく。 「おちびちゃんゆっくりなおってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむがそういうも決してぺーろぺーろはしようとしなかった。どこをぺーろぺーろしてもどうにもならないからだ。 子まりさは左右に体をふって寒天の両目から涙を流して叫んでいた。 「いぢゃいのじぇえええええええ!ゆっきゅりできにゃいんだじぇええええええ!」 「ゆっくりしていってね!ゆっぐり!ゆっぐりじでいっでね!」 「ゆびいいいいい・・・ゆびゅぅぅ・・・!・・・ゅ”!・・・!!」 れいむの叫びもむなしく青年の足が子まりさを地面にへと押しやった。 徐々に徐々に子まりさはミリミリと音を立て小麦粉の皮が裂けていき、その合間から餡子が漏れ出して銅鑼焼きのように潰れていった。 ついには地面に平たく広がってしまう。 子まりさは餡子を徐々にひり出してつぶれ饅頭となったようだ。時折「ゅ”・・・!ゅ"・・・!」という音とともにモゾモゾと動くが長くはないだろう。 れいむが大きく口をあけて叫んだ。 「でいぶのおぢびぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 同じことを言っていたような気もするがデフォルトなのだろうか? 青年の手がれいむの砂糖細工の髪をつかんだ。 そのままれいむの小麦粉の顔面を地面にたたきつける。 「ゆぶっ!」 青年は屈んだままれいむを地面に引きずりまわした。 「ゆぎいいいいいいいい・・・!いぢゃばばばああああああああ!でいぶのおがぎゅばああああああああ!!」 ザラザラとした地面に餡子が尾を引いていく。削れているのだろう。 しばらくして青年が手を離すとれいむは地面に突っ伏したままグネグネと動くだけになってしまった。 「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 止めとばかりに青年の足がれいむの後部に落ちる。 「ゆ”・・・!」という音が聞こえるとれいむは地面に餡子がバッと広がってピクリとも動かなくなってしまった。 完全につぶれ饅頭と化した様だ。 青年は痛む手を押さえながらどこかへと去っていく。 ・・・街ゆっくりの中で、人間と対等に付き合っているゆっくりが一割、ゲスゆっくりが三割、残りの六割は捨てゆっくりや通常の街ゆっくりと言われている。 人間にとって厄介なのは実はその六割なのだ。 「地域ゆっくり」といわれるような人間の手伝いをするゆっくりはそれで食料を得るため迷惑などでは全くない。 また、ゲスゆっくりやれいぱーありすといったゆっくりも直接的な被害は通常の街ゆっくりよりも少ない。 なぜならゲスゆっくりはゴミ捨て場を荒らして食料を調達する街ゆっくりから食料を奪ったりするからだ。 直接的な人間に対する被害は極稀な「おうち宣言」程度しかない。 れいぱーありすもそれとゆっくりを食べるのが半々だ。 何より街のゲスゆっくりは人間に対して挑発的な行為はあまりしない。時折そういいったゆっくりもいるがそれはその場で永遠にゆっくりすることにつながるためあっという間にいなくなる。(一定数は必ずいるが・・・) 問題なのは通常の街ゆっくりなのだ。 「おうた」と称しては騒音をまき散らし、ゴミ箱をぶっ倒してゴミ袋を破り、泥と埃にまみれた小麦粉の皮で砂糖水の涙と涎を塗りつけるように「すーりすーり」をしながら飼いゆっくりに云々…という。 見方を返せばゲスゆっくりの方が結果的には迷惑をかけていなかったりする。 このれいむ一家は恐らく捨てゆっくりか何かだったのだろう。 今日はごみをまき散らしていなかったとしてもそれ以前もなかったとは言い切れない。 それに辺りにゆっくりがいなくなったと同時期にここへやってきたのは、ある意味失敗だったという他ない。 ゲスゆっくりや地域ゆっくりは中規模な群れ・・・というよりコロニーを形成することが多い。 「他のゆっくりがいるという事はここ一帯はゆっくりできる所だ」と判断するからだ。 なにもいない所で「安全なゆっくりプレイス」等というのは捨てゆっくりぐらいだろう。 本当に加工所が掃除をするのはそういったゆっくりだけであったりする。 その中に幾つかのゲスゆっくりが混じっていることもあり、厳密にいえばすべてではないが、その大部分が通常の街ゆっくりであることには変わりない。 人間からすればゆっくりはあくまで「ゆっくり」だ。 人間と変わらないような聡明なゆっくりもいれば街ゆっくりとしてあぶれるようなゆっくりもいる。 私はそのまま立ち上がって公園を後にした。 暫くここ一帯にゆっくりが現れることはないだろう。 曇り空の下、生暖かい風がヒュウヒュウと吹いている。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 帰り道の途中、再び大きな声が私の耳に入った。 見れば一体のれいむが体を大きくのーびのーびさせて声をあげている。 「・・・おでがいでずっ!でいぶをがいゆっぐりにじでぐだざいっ!でいぶはきんばっじのゆっぐりでじだ!うんうんだっでおなじどごろにでぎばずっ!ごばんざんにもんぐもいいばぜんっ!だがらでいぶをがいゆっぐりにじでねっ!」 飾りも所々欠けて風体もボロボロ。大きく口をあけて砂糖水のつばを飛ばしながら叫んではそこに何もないかのように無視されていく。 様子を見るに、金バッジというのは眉唾ものだ。銀バッジの捨てゆっくり等がそうやって嘘をつくことがあるとかつて羽付きは言っていた言葉を私は思い出していた。 私がじっと見ているとそれに気付いたのかこちらへれいむがやってきた。 「おにーざん!でいぶをがいゆっぐりにじでねっ!」 その形相は凄まじく、砂糖水の涙と涎の跡が下に垂れるようについていて、時折ゴミも巻き込んでいた。なすび型のまま上下しながらこっちへ近づくのを見ていると、怖気がする程のものだ。 私はそれを無視して足早に駆けた。後ろからはれいむが「ゆんやあああああああああ!ゆっぐりまっでぐだざいいいいいいいい!」という声が聞こえる。 が、それも人混みの雑踏にかき消されてやがて聞こえなくなってしまった。 今日見たゆっくり達を見て羽付きなら何と言うだろうか? きっと厳しい言葉しかまってないだろう。 私の頭の中では羽付きの言葉が浮かんではかわるがわる沈んでいっている。 「・・・あのゆっくりはけっきょくはじぶんがげんいんなのをかくしていいかっこうをしてるだけなんだぜ・・・あんなゆっくりはぜったいいきのこれないんだぜ・・・」 「・・・じぶんでなにかをするということもせずにほかのゆっくりのちゅうこくをむししてひさんなめにあって"れいむはかわいそう"?そうなってあたりまえなんだぜ・・・」 「ゆっくりするっていうのはほかのなにかからもらうものじゃないんだぜ。たぶん、あのれいむやまりさはそれをかんちがいしてるからゆっくりできないままなんだぜ」 「・・・ほんとうの"げす"はじぶんでげんいんをつくってじぶんがかわいそうなゆっくりっていうようなゆっくりだぜ・・・」 「ゆっくりできるゆっくりならここをぬけだして、にんげんさんもなにもいないもりのおくにでもひっそりとくらしているものなんだぜ。それがほんとうのどすというものかもしれないんだぜ・・・」 ・・・空はどんよりと曇っている。 ふと思ったがもしかすればあのれいむは本当に金バッジだったのかもしれない。 金バッジでも良いゆっくりとは限らないことが最近多々ある。それは金バッジだからこそ問題が起きたというような事だってあるのだ。 あんな「飼いゆっくりにしろ」とせがむなら羽付きの様に別の道を模索した方がよっぽど賢いのではないかと私は思う。 今日び、ゆっくりがうーぱっくではなく飛行機に乗って空を飛ぶ時代なのだ。その気になればゆっくりはある程度の事が出来るだろう。 自らがゆっくりするために何かをせずにただじっと待っているあのゆっくり達は、ずっとゆっくりする事はできないだろうと私は思う。 曇天の空が晴れ渡るには、街ゆっくり達は何をすべきなのだろうか? それを気づくまで街ゆっくりが真にゆっくりする事はずっと無いと私は感じた。 冬はもうすぐ終わる。次の季節にはゆっくり達の待ちわびた春がやってくるだろう。 雲は相も変わらず重く重く垂れ込んでいる。 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック ふたば系ゆっくりいじめ 625 ループ・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 632 フェザー・メモリー(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 643 フェザー・メモリー(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 690 ウィンター・ブルース ふたば系ゆっくりいじめ 706 シティ・エレジー ふたば系ゆっくりいじめ 1051 街を跳ねるもの達 ふたば系ゆっくりいじめ 1052 UNDER 羽付きあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 同じことを言っていたような気もするがデフォルトなのだろうか? ここ何か笑ってしまった -- 2013-08-12 12 38 28 単純な硬度なら硬い野菜もあるが、肉を裂くには歯を立てて引かなければ切れない 餡子に砂糖菓子がくっ付いてるだけのゆっくりは野菜を噛み潰す事は出来ても生きてる動物の肉を引き裂く事は無理だろ -- 2013-07-04 01 04 44 ↓野性ゆっくりの大好物であるお野菜と人間の肉の固さ比べてみろ。人間より固い野菜なんてざらにあるから。 つまり、ゆっくりは人間を怪我させられるレベルの咬合力を持っていても全く不自然じゃない。 ただ歯がもろいんだよなあ… -- 2012-03-17 19 14 09 え?ゆっくり如きの力で人間を怪我させられんの? 只の喋る饅頭が人間傷つけるレベルの力もってるわけがないだろ… しかも子ゆっくり程度で出血なら親ゆっくりだと相当やばくないか? 喋る上に数が多く、おまけに噛む力が強いとか最早クリーチャーだろ -- 2011-12-18 15 50 02 親ゆの悲痛な警告もガン無視して、人間に噛みついて怪我させた程度で 自分は人間をやっつけられると思い込む子まりさが非常にウザかった。 そして子れいむが殺された途端に戦意喪失して無様に逃げ出す様も非常にウザかった。 -- 2010-12-15 19 42 49 怪我した青年は災難だったね。 意外と顎の力強いんだなぁ… 善良なゆっくりなんていなかったように思える。 ゆっくりできたよー! -- 2010-12-12 17 59 10 「善良」の解釈によるかな。 公園一家は災難だったな。善良には「素直で穏やかな」という意味もあるので、 善良と言えなくもない一家だったと思うんだが。 ・・・っていうかゆっくりがゴミを散らかすことを怒っている青年、公園で餡子や饅頭の皮をまき散らさないでよ。 ケガの治療をしたらちゃんと片づけろよ。広範囲に饅頭の残骸をぶちまけるような殺し方して・・・後始末を考えろよ。 -- 2010-08-18 06 45 19 ゆっくりに善良もゲスもねえ。いいゆっくりってのは枕詞に「どうでも」とか「都合の」とか「虐待して」がつくんだよ。ゆっくりのわめき声はゆっくりできるな。 -- 2010-08-18 02 30 59 善良なゆっくりなんてもんはいねえんだよ。残念ながら。 -- 2010-08-01 00 52 15 人間に都合がいいか悪いかのどっちかだね、、、 -- 2010-07-24 15 45 48 … -- 2010-07-08 22 48 08 善良なゆっくりがひどい目にあいますって、善良なゆっくりは出ていた? -- 2010-06-29 09 33 49
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ロンリー・ラック 23KB 悲劇 観察 自業自得 自滅 家族崩壊 ツガイ 赤子・子供 都会 現代 うんしー 七作目 「ロンリー・ラック」 ・「ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング」の続編という形を取っています。 ・人間視点ですが主軸はゆっくりです ・駄文注意 ・いくつかの独自設定を使っています ・セールスあきさんの「未熟ゆっくり」の設定を使わせていただいております。 ・うんしー注意 ・善良?なゆっくりがひどい目にあいますご注意を ・自滅モノです 冬、空はまるで突き抜けるような雲ひとつない光景。 燦々と輝く太陽が眩しいとすら感じる。だが今は冬、肌を刺すような冷たい風が過酷な環境だと言う現実に私を引き戻す。 私の「観察」は続く。冬のゆっくりのダイレクトな姿を、別の側面を捉えたいのだ。 …そこに意味などないのかもしれない。だが名もなく、人々の記憶にも残らず、時に蔑まれる街のゆっくりの姿を少しでも残しておきたいと私は思っていた。 その日、忘れ去られた様な寂れた高架下で私は変わった子ゆっくりを持つ「捨てゆっくり」に出会った。 高架下、上ではブンブンと車が行き交うその下は驚くほどに退廃的で、荒涼とした風景が広がっている。 うす暗く、廃棄されたゴミやベンチを見るに、使われなくなったゲートボール場の様だ。 高架下の支柱にもたれるように置かれたベンチの下に、そのゆっくり達はいた。 羽付きがこっちへ来いとせかす。私は高架下に入ってそのベンチの下をのぞき込んでいった。 ダンボールで風よけを作っているその奥に、二匹のゆっくりが警戒しながらこちらの様子をうかがっている。 トンガリ帽子に砂糖細工の金の髪と赤いリボンに左右のピコピコ、あれは「ゆっくりれいむ」と「ゆっくりまりさ」だ。 見たところ二匹だけの様だ。そう思っていたが急にまりさの帽子から何かがピョコンと複数飛び出て来る。 「ゆわ!?なんなのぜこれは!?」 羽付きが驚きの声を上げた。私もそれを見て違和感の様なものを感じる。 「ゆっきゅり!ゆっきゅり!」 「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 「むきゅ!むきゅ!」 三匹の赤ゆっくり「らしき」ゆっくりがそこにいた。 何と形容していいか分からない。新種か何かだろうか? サイズは赤ゆっくりよりさらに一回り小さいプチトマトの様なサイズだ。 サイズはまだいい。問題はその風貌である。 通常ゆっくりの「砂糖細工の髪」と言うのは地面に垂れるほど…とはいかずとも側面まで生えている筈だ。 だがこのゆっくりは頭頂部から上部の一部。形容するならまるで「カッパの皿」の様な生え方をしていた。 一匹の赤ゆっくりらしき饅頭は小麦粉の皮が陰になって見えなくなるほど小さいがリボンの様な物があり、殆ど頭と平行についた「ピコピコらしきもの」が動いている。恐らくは「れいむ種」だろう。 もう一匹は柿のヘタのような物が頭に乗っかっている。何かと見れば小さなトンガリ帽子の様だ。 かろうじて左の砂糖細工の髪がわずかに伸びている。そして金…と言うより黄色がかった色…恐らくではあるがこれは「まりさ種」であろうか? 一体これはどういう事なのだろうか?全く見たことのない未知のものを見た時の様な恐怖が私の背筋を冷たくさせていた。 最後の一匹は、泣き声で分かる。「ぱちゅりー種」だ。 だが私の知っているぱちゅりー種とは大きく何かが違う。 これも側面についている地面にたれる程の「モミアゲ」部分が殆ど頭と平行についている。周りの髪と比べてわずかに長いという程度で飛び跳ねるたびに上下にビュンビュンと振れていた。 帽子…は髪に埋もれるように小さくあるようだ。 寒天の目が顔のパーツのほとんどを占めているため「ギョロ目」の様になっておりそれが違和感からくる気持ち悪さの原因になっていた。 言葉も話せないようだ。一様に「むきゅ」「ゆっきゅち」「あみゃあみゃ」等しか言わない。 私の足もとで跳ねているそれらを見て、二匹のゆっくりが飛び出してきた。 「おぢびぢゃんでぢゃだめでじょおおおおおおおお!?」 「ゆ、ゆっくりかえってね!れ、れいむおこるよ!」 同じ事を壊れたラジカセの様に繰り返す赤ゆっくり達を庇うように帽子の中に詰めていくまりさ。 そして私と羽付きの前で動揺しながらも大きく膨れて威嚇しているれいむ。 「なにかかんちがいしてるようだけどまりさたちはべつになにもするきはないんだぜ」 羽付きが冷静に話を進める。 最初は懐疑的だったれいむとまりさも羽付きの説得により、ようやく落ち着いた様だ。 私はメモ帳を片手に赤ゆっくりの特徴を書き、そしてなぜそのゆっくり達の生い立ちとこれまでのいきさつを聞いていた。 まりさ一家が話した言葉を整理するとこうだ。 元々、このゆっくり達は二匹とも同じ場所で飼われている銀バッジの飼いゆっくりであった。 バスケットボールサイズに大きくなる頃に、「すっきり禁止」を破ってしまい、れいむの頭に蔓が生えてしまう。 それが見つかり蔓を引き抜かれた上で外へ叩きだされたそうだ。 当然の事だが蔓が引き抜かれると実ゆっくりは枯れてしまう。それを阻止するためにれいむ自らが機転を利かせて餡子を吐き出し水で薄めた液体に蔓をつけたそうだ。 蔓には全部で五つの実がなっていたが、結局生まれたのは三つ。その内一つは生まれるはずのないぱちゅりー種だった。 だが自分の子ゆっくりである事には変わりない。ひいきもせず愛情を注いでいる、との事だ。 「おうち」の中をのぞかせてもらった私は信じられない光景を目にした。 そこにあるのはいくつかの菓子パンとゆっくりフードの空き箱、そしてボロボロの毛布と、ゆっくりの言葉を借りるなら「ふかふか」がそこにあった。 羽付きも私も怪訝に思った。捨てゆっくりの様なゆっくりが毛布ならまだしも、ここまで新しい菓子類をこんなに手に入れる事は通常ありえないはずだ。 羽付きは「これはどこでてにいれたのかぜ?」と聞いた。それに対してれいむとまりさはこう言った 「ゆゆ…にんげんさんがおいていってくれたんだよ…」 「まりさたちはこれからおちびちゃんたちとゆっくりしてからごはんさんをさがしにいくんだよ!」 どうやら、おいていった食料が底をついたのはあまり前の事ではない様だ。これだけのものを手心で置いていっただけでも相当恵まれていると言っていいだろう。 私はさっきから足もとで喚く赤ゆっくり三匹を眺めて考える。唯一種類の違うぱちゅりー種… 記憶の奥底である事を閃くように思い出した。これは「取り替え子ゆっくり」ではないだろうか? 「取り替え子」という物が稀に番いのゆっくりから生まれる。様は番いの組み合わから生まれるはずのないゆっくりが生まれるのだ。 取り替え子ゆっくりの凄い所は「幸運」である事だ。いくつかの資料にや文献では、取り替え子は飼いゆっくりになるといった話が多々見受けられる。 と、言う事はこの捨てゆっくり達はその恩恵のお陰で生き残れているのだろうか? 俄かに信じがたい話だが、(ゆっくりにとって)生き抜く知恵も力も常に試され続ける過酷なこの街で生き残っていると言う事実を目にして、それが真実だと思わざる負えなかった。 私はそのまりさ一家に話を聞き、一旦その場から離れて様子がうかがえる所で一旦休憩をとる。 道中、羽付きにその話をした。羽付きもかなり意外そうな顔だ。 「ゆぅぅ…まりさがしってるゆっくりのなかにもそんなのはいくつかきいたけど、まさかそんなとくべつなゆっくりとはおもわなかったんだぜ」 「野良ゆっくりは必ず潰してしまうかぞんざいな扱いをするからと聞いているからね…」 「ゆゆ、たしかにそうだぜ。「ゆっくりできないゆっくり」といってつぶしてしまうのがふつうだとおもってたぜ!そもそも「ゆっくりできるゆっくり」なんてまりさはつむりぐらいしかきいたことがないんだぜ」 羽付きでも知らない事があるらしい。それが私にとっては一番の驚きだ(当たり前の話だが私にはどうしても羽付きが何でも知っているイメージが先行してしまっているので驚くという感情をもったのだろう) これでとても興味が出てきた。それほどラッキーなゆっくりを育てる捨てゆっくり一家、生活はどうなっているのか。ますます興味がわく。 高揚していく気分の中で脳裏にフッとある考えが出てきた。取り替え子ぱちゅりーはタダでさえ種類的に脆弱だ。 更に赤ゆっくりならぬ「未熟ゆっくり」である。いくら幸運が舞い降りると言えこの季節にこの街だ。厳しいかもしれない。 改めて様子を見てみる。 二匹のれいむとまりさは「おうち」の奥で小麦粉の皮をくっつけてニコニコと笑っていた。 その前にあいた僅かなスペースで赤ゆっくりがピョコピョコと跳ねまわっていた。 「ゆっきゅちゆっきゅち!」 「ゆゆ!ゆっきゅち!ゆ!」 「むきゅ!むっきゅ!」 見るたびに思うが何か不気味だ。前述したような見慣れないものを見た時の違和感がそのまま恐怖心に変わったような感情を私は感じていた。 「ゆ!おちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 まりさがそう言った。れいむはその言葉を聞きながらうれしそうに左右のピコピコを揺らす。 不意に赤ゆっくり達がプルプルと震えはじめた。 何をするかと思えば毛布の上であにゃるを出してうんうんをし始める。 「「ちゅっきり!ちゅっきりー!」」 わずかな量ではあるがシツケがなっていないようだ。れいむが舌を伸ばしてうんうんを掴むと外へ投げだした。 元飼いゆっくりと言う事は「トイレ」の概念を持っているはずである。それをいくらまだいくつかの単語しかしゃべれないとはいえ咎めもしないあたり、私はこの番いがなぜ捨てられたかなんとなくわかった気がした。 羽付きも怪訝な顔でその様子を眺めている。恐らくではあるが「取り替え子ゆっくり」の話をまだ信じていないようだ。私だってそんな話を聞いただけで実際検証も確信も統計も得られていない様な雲をつかむ話なのだ。 「街」という「現実」が集まって作られた様な場所で生き抜いている羽付きが半信半疑なのは当然だろう。 相も変わらずまりさ一家の日常が私の目の前で続いていた。 不意に赤まりさが何かを言いかけている。騒ぐれいむとまりさを見れば、いやでも耳に入った。 「ゆっきゅち!だ、だっきゅち!だ、だじ!…じぇ!」 「ゆゆううう!!おちびちゃんがあたらしくなにかしゃべろうとしているよ!」 「ゆ!まりさ!?ほんとだ!おちびちゃんゆっくりがんばってね!」 喋る言葉とは何なのだろうか?と私が羽付きに聞くと興味が無いようにさらっと答える。 「ゆゆぅ…たぶん"だぜ"だとおもうんだぜ…まだうまれたてのあかゆっくりがおしえてもいないのにおぼえるってことはぎんばっじのなかでもわるいほうのあんこをついだゆっくりだとおもうんだぜ」 羽付きが説明してくれた。 ゆっくりは餡子の中に記憶を引き継ぐ。 なのであの赤まりさが「だぜ」口調でもなんでもないまりさからなにも教わってもないのに覚えようとしているのは恐らくあのまりさの親ゆっくりの片方が「だぜ」と言う喋り方をしていたか、もしくはあのまりさが「だぜ口調」を矯正されたかの二択という話だ。(羽付きがどうなのかは分からないが少なくとも聞ける雰囲気ではなかった) さて、まりさ一家に目を向ける。「ゆっくりがんばってね!」とはやし立てる横で「ゆっきゅち!ゆっきゅち!」だの「むきゅむきゅ!」だのと言って周りを跳ねまわっている赤ゆっくり二匹が非常にシュールだ。 「ゆっきゅ!だ、だ!じぇ!だじぇ!だじぇ!」 「ゆゆゆうううううううううううん!!までぃざああああああああ!!すごいよおおおおおおお!!」 「さすがまりさとれいむのこゆっくりなんだぜええええええええええ!」 「までぃざあああああああああ!!すーりすーりいいいいいいいいい!!」 「でいぶううううううう!!すーりすーりいいいいいいいいいいい!!」 また同じように「だじぇ!だじぇ!」と繰り返し続ける赤まりさを見ながら寒天の両目から涙とそして口からよだれを撒き散らしてすーりすーりをしているまりさとれいむ。 羽付きが一言「喜ぶことじゃないだろう」と言ったのが一番鮮明に記憶に残っている。 ここまでは感動的な光景だ。確かに私が今まで観察してきたゆっくりの中では最も幸せなゆっくり達なのかもしれない。 喜んですっきりでもするのかという速度ですーりすーりを繰り返すまりさとれいむを見ながら考えていた。食料も尽きたのになぜそんなに能天気なのか?と 喜ぶのもつかの間、まりさが急に眉をキリッとさせて厳格にこう切り出した。 「ゆゆ!これからごはんさんをとりにいくよ!」とまりさが言った。 それにれいむが「ゆっくりわかったよ!」と答える。 まりさは帽子を頭から取り払い、舌で丁重に赤ゆっくりを頭の上に載せ、蓋をするように帽子をかぶる。 私はその光景に目を疑った。いくらなんでも不用心すぎるのではないだろうか?食料は食いつくしてないからとはいえ、まだ「おうち」には毛布が残っているのだ。 帽子の中で「だじぇ!だじぇ!」とか「ゆっきゅち!」とか「むきゅ!」とかの声が聞こえる。そんなに跳ねまわっては帽子から転がり落ちてしまうのではないだろうかという勢いの様だ。 「「ゆっくりいってきます!」」と何もない「おうち」に言うとそのまま高架下から勢いよく跳ねだしていった。 羽付きが追う。私もその後ろをついていった。捨てゆっくりの狩りとは一体どのような物なのだろうか? ―−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆ!ゆ!おちびちゃんゆっくりうごかないでね!おちちゃうよ!」 まりさが帽子を気遣いながら跳ねていた。スピードは赤ゆっくりを気遣ってかかなり遅い。 「ゆゆ!おちびちゃんまりさをこまらせないでね!」 れいむがなだめ様にも赤ゆっくり達は飛び跳ねるのを止めないみたいだ。 どうやら「だじぇ」と喋れるようになったのが余程うれしいらしい。周りの赤れいむや赤ぱちゅりーにも波及して手に負えない程に跳ねまわっている様だ。 「ゆゆう…しかたないよ…おぼうしさんからいったんだすね…おちびちゃんたちだいじょうぶかな…」 「ゆっくりだいじょうぶだよ!いつももうふさんやくささんのうえをげんきにかけっこしてるんだからかたいじめんさんのうえでもだいじょうぶだよ!」 まりさが帽子を舌で取り払う。コロンと三つの赤ゆっくりが飛び出て来た。 左右のピコピコやおさげ、もみあげを上下に振りながら「ゆっきゅち!ゆっきゅち!」「だじぇ!だじぇ!」「むきゅ!むきゅ!」と各々が言って跳ねまわる。 「おちびちゃんたちゆっくりついてきてね!」 まりさが飛び跳ねる。その後ろを赤ゆっくりが跳ねまわってついていき、最後にれいむが赤ゆっくりの後ろをついて跳ねるといった構図だ。 中々考えている様だがすぐに陣形が横並びに左からまりさ、赤ゆっくり、れいむに変わったりと不規則になっている。あれではあまり意味がない。 元気よく跳ねまわる赤ゆっくりの姿は秋頃よく見かけた茶色ともネズミ色ともつかないバッタを彷彿とさせた。あのバッタの名は前なんて言うんだろうか…そんな事を考えながらついていく。 あのまりさの口ぶりからするにアスファルトの上を跳ねるのはどうやら初めての様だ。高架下は剥き出しの砂粒の上だが下生えの雑草が生えているためそれほど負担にならなかったのだろう。 だが、私の考えに反して中々元気に跳ねまわっている様だ。 道を歩いていると人通りの少ない歩道の端に空き缶が立てられていた。 まりさ一家がそれを見つけたようだ。一斉に跳ねて回りをぐるりと囲む。 まりさが舌でグイグイと押すが簡単に倒れず底の方を支点にぐるぐるとまわっている。誰かが飲みかけを放置した様だ。(ゆっくり達がひっくり返したりするのでしない方が好ましいとされている) 「ゆ!あまあまさんがはいってるかもしれないよ!」 まりさがそう言うとれいむはこう答えた。 「まりさはつつさんをたおしてね!れいむはころがしてあまあまさんをだすよ!」 「ゆっくりわかったよ!ゆ!」 まりさがそう答えて缶を体当たりで倒す。中からコポンと音がして何か液体がでだした。 れいむが舌で転がして缶の口を下にする。コポコポと液体がこぼれ出た。 「ゆゆ!おいしそうだね!ゆっくりごーくごーくするよ!」 れいむが先んじて舌を伸ばす。赤ゆっくり達がそれに気づいて急いで跳ねてきていた。 羽付きが声を押し殺しながら叫ぶ。 「にんげんさん…!あれ…!」 私も気づいた。あの水たまりの様になった液体の色合い、あれは明らかに… 「ごーくごーく…ゆげええええええええええええええええ!!??」 「「ゆっきゅち!?」」 「れ、れいむ?」 地面に口をつけて啜る様に空き缶の残りを飲んだれいむが突如拳大の大きさの餡子を吐き出した。餡子と砂糖水が混ざった液体も一緒でビチャビチャと音がする。 羽付きと私が気づいたもの、それは腐敗だった。 辺り前だ。飲みかけで開封済みのジュースを道の端に置いている物を飲むなんて自殺行為だ。 腐っていたら大変だ。つまりれいむはその「大変な物」にあたってしまったのである。 缶に書いてあるのは牛乳を使った飲料。腐れば酸味と苦味がマッチした凄まじい「刺激物」となるはずだ。刺激物はゆっくりにとっては猛毒に等しいもの。それを飲み込んだれいむは餡子を吐き出し始めたというわけだ(そもそもなぜ臭いで気がつかなかったのだろうか?) 「でいぶうううううう!!ゆっぐりなおっでね!ぺーろぺーろ!」 「ゆっきゅ!ゆっきゅち!」 「だじぇ!ゆっきゅちだじぇ!」 「むきゅ!」 まりさがれいむをぺーろぺーろし始める。相も変わらず赤ゆっくり達はれいむの周りを飛び跳ねていた。 だが吐き出すゆっくりに対してぺーろぺーろしたところで何の意味もない。 「ゆごっ!ゆげっゆごぶぐぇ!ゆげぇぇえええええ…ゆげほ!ゆごほ!!!ゆげぇぇ…!!」 砂糖水と餡子が混ざり合ったような液体を吐き出しながらせき込むれいむ。バスケットボール大のゆっくりが拳大の餡子を吐き出した位では死にはしないがしばらく動けないだろう。 すぐにれいむが寒天の目をグリンと上に向けて痙攣を始めた。これはゆっくりが急激に餡子が無くなった時に起こる症状だ。致死量ではないが急激に餡子を吐き出した時でも、異物が饅頭内に残っているため暫くこんな行動を起こす。 まりさはれいむのピコピコを口で掴むと後ろ向きで引っ張る様にズルズルと移動を始めた。狩りはこれでおしまいの様だ。 周りには赤ゆっくり達が相も変わらず跳ねまわって付いていっている。 羽付きがやれやれといった表情で解説を始めた。 曰く、番いが両方とも捨てゆっくりだった場合、あの様に人間が作ったものしか食べ物として認識しないらしい。 確かに道中食べられそうな雑草があっても見向きもしなかった。それはあのゆっくり達が食料として認識していないからとの事だ。 そして一番の不幸は「痛んだ物」をも認識できないその知識量にある。見た事があるものでもそれは「腐っている」と分からない。物が腐ると言う現象すら知らないのだ。 あのまりさ一家の末路はどうなるか、私は羽付きにそれを聞いてみた。羽付きは鼻で笑うとこう言った。 「まずあのれいむはもうだめだぜ。たぶんあのまりさがぺーろぺーろしまくってさらにぽんぽんをひやしてうんうんのだしすぎですぐにみいらだぜ」 私はまりさ一家に目を向ける。 「ゆ!ゆううう!いまおうちにかえるからね!あまあまさんをたべてゆっくりやすめばなおるよ!」 「ゆ”!ゆ”!ゆ”!ゆ”!」 「「「ゆっきゅちちちぇぇ!」」」 バラバラに言っていた赤ゆっくり達が初めてハモった。 新しい言葉だがそれを喜ぶ暇は当然の様にないようだ。 れいむを心配しているわけではなく、その表情から察するに相手をしてくれない事に対しての言葉だろうか? 十分かけてようやく高架下につく。 まりさ一家は巣に入って必死にれいむをぺーろぺーろしている。 「ゆ!ゆ!れいむだいじょうぶ!?ぺーろぺーろ!」 「ゆ”!ゆ”!ぽんぽんいだいいいいい…!」 れいむの方が小麦粉の皮に玉の様な砂糖水の汗をびっしりとかいて苦しんでいる。グネグネと動きながらビチビチのうんうんがあにゃるから流れるように出ている。 赤ぱちゅりー…もとい赤ゆっくりはと言うと。 「「ちゅーやちゅーや…」」と三匹仲良くおうちの入り口近くで横にこかす様に置かれたまりさの帽子の中で小麦粉の皮を寄せ合って眠っていた。疲れたようだ。 恐らくまりさが帽子と赤ゆっくりがうんうんで汚れないようにするために脱いでおいてあるのだろう。 まりさが毛布についたうんうんを舌で外に捨てる。だがいくらやってもキリがない。 うんうんを捨て去った後は、まりさはれいむをぺーろぺーろしはじめる。 さっきからうんうんを捨ててはぺーろぺーろしてそしてまたうんうんが出ては捨てての繰り返しだ。 「あんこさんがなくなったらでいぶがゆっぐりでぎないよおおおお!!あんござんゆっぐりどまっでね!ぺーろぺーろ!」 「ゆ”うううう!!なべないでぇぇえええっ!」 まりさがれいむの下部分をぺーろぺーろする。だが隙間風が入るぐらいには風のある冬の日に、そんな小麦粉の皮を冷やす様な事をしていては、治るものも治らない。当然れいむの「びちうん」(お汁粉)は激しさを増す。 れいむがうんうんをびちびちとひり出しながらグネグネと動いて叫ぶ。砂糖水の涙と涎、そして液体状の餡子にまみれたその姿は今食事中なら思わず吐き出しそうな光景だった。(いくらただの餡子とはいえ精神衛生上気味が悪すぎる) 「でぢゃううううう!!ゆぎぎぃぃ…!」 「あ”あ”あ”あ”!!でいぶうううう!?」 今度はれいむが苦しそうに上を向いてあにゃるを向ける。 あにゃるの先にはまりさの帽子の内部、つまり赤ゆっくりが眠っている場所にロックオンされていた。 「ゆぐぐぐ・・・うんうんがどまらないぃぃ・・・!!」 「ゆ!?まってね!ゆっくりがまんしてね!まりさのおぼうしさんをいまどけるからね!」 まりさが舌で帽子をどけようとする。その時目覚めた赤ぱちゅりーがすぐさまモミアゲを上下に振るってピョコンと跳ねた。 「むきゅ!」 「ゆゆうう!?」 着地場所がまりさの舌の先だったのがまずかった。赤ぱちゅりーはもう一度跳ねて帽子の外へと出てしまったが、最初のジャンプでまりさの舌は帽子から一瞬離れてしまっていた。それが命取りとなる。 「ゆぐぐぐ・・・!ぼうだべえええええええ!!でるうううううううう!!」 「でいぶやべでええええええええええ!!」 その声に目覚めたのか、赤まりさと赤れいむがパッチリと目を開けた。 あにゃるをこちらに向けて砂糖細工の歯を食いしばっている凄まじい表情のれいむと泣き叫ぶまりさの姿がその時見えたのではないかと私は後に推測する。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!ずっぎりいいいいいいいいいいいい!!」 れいむのあにゃるからびちうん(お汁粉)が勢いよく噴き出した。その勢いはまるで土石流 落ち行く先はまりさの帽子と中にいる赤まりさと赤れいむだった。 うんうんまみれになったまりさの帽子を見てまりさが叫ぶ。 「までぃざのおぼうじざんがああああああああああああああああ!!でいぶのばがあああああああああああ!!」 「ゆ”!ゆ”!ゆ”!」 れいむは最後に凄まじい勢いでうんうんを噴き出すとそのまま中の餡子が無くなったのか、寒天の目が白目をむいて痙攣したまま最後に大きく小麦粉の体を跳ねさせるとそのまま動かなくなってしまった。 私には帽子の中の様子がよく見えなかった。まりさが口で帽子の唾を掴んでブンっと振るとうんうんにまみれた赤れいむと赤まりさが出てくる。 そこで私はようやく大量のうんうんにまみれた赤れいむと赤まりさを見ることになる。 「ゆっぐりまっででね!いばまでぃざがうんうんをどるがらね!ぺーろぺーろ!」 まりさが必死にぺーろぺーろしてうんうんを取り払うがぴくりとも動かない。うんうんをぶっかけられたショックでそのまま物言わぬ饅頭となってしまったようだ。 「あ”あ”あ”あ”!?おぢびぢゃんんんんんんんんんんんん!?」 まりさの叫び声が辺りにこだました。 「ゆげぇ…いくらなんでもひどすぎるんだぜ…あれは…」 羽付きがえずくほどの光景がそこにあった。今度はまりさが必死に舌で帽子にこびりついたうんうんをなめとっている。 その真ん中で唯一無事だった赤ぱちゅりーが「むきゅ!むきゅ!」と元気に跳ねまわっていた。 それなりに綺麗になった帽子をかぶってまりさとれいむが叫ぶ。 「おぢびぢゃんんんんんんんんん!!ぶじだっだんだねええええええ!!よがっだよおおおおおおお!!すーりすーりいいいいいいいい!!」 「むきゅ!ちゅーりちゅーり!」 砂糖水の涙と涎を垂れ流しながらうんうんまみれの小麦粉の皮をすーりすーりする光景。感動もへったくれもない。その汚さに流石に私も辟易とした。 ようやく落ち着きを取り戻したようだが、問題はこれからであった。 「ゆ・・・ゆ・・・れいぶううう・・・おぢびぢゃん・・・」 かつてゆっくりだったれいむと赤ゆっくりにまりさが目を向ける。 私が遠めに見たかぎりでだが、れいむと赤れいむ、そして赤まりさは凄まじい形相で倒れ伏していた。 カピカピに干からびて寒天の白目をむいているれいむ。小麦粉の皮が水分をなくし、ひび割れが入っている程だ。 赤れいむと赤まりさはうんうんがどけられると舌を投げだしこれも同じように寒天の両目を白目になったまま物言わぬ饅頭となり果ててしまっていた。 「ゆ”!ゆ”!れいむ…おちびちゃんたち…おそらでゆっくりしててね…!」 まりさはそれを見て泣いている様だ。殆ど自分が原因だと言う事に気づいていないのが何とも言えずお粗末な物として私の目に映った。 まりさはくるっと振り返り、赤ぱちゅりーの方を向くとこう言った。 「いなくなったれいむやおちぢちゃんのぶんまでゆっくりしようね…!」 「むきゅ!ゆっきゅち!」 何とも感動的な光景だ。羽付きがその光景を嫌悪感を剥き出しにして見ながら、こう私に行った。 「もういいとおもうんだぜ…はやくかえるんだぜ…どうせあんなようすじゃあしたにはゆっくりできなくなってるんだぜ…」 一刻も早くどこかへ行ってしまいたいようだ。仕方がないので私と羽付きはそのまま引き上げることにする。 捨てまりさの決意を見た私は、そのまま羽付きとともに引き上げていった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それから次の日、私と羽付きはあの「うんうんまりさ」と赤ぱちゅりーの様子を見るために再び高架下へとやってきていた。 様子が気になったからだ。 さて高架下のベンチの下へとやってくると羽付きが言ったとおり「うんうんまりさ」は頭から大量の蔓を生やしてそのまま小麦粉の皮だけとなって仲良くれいむだった饅頭の横で突っ伏して倒れていた。 どうやら昨日の騒音を聞きつけたいくつかのありすにすっきりし殺されたようだ。 蔓の先に生えている萎れた実を木の棒でつつきながら羽付きが呟く。 「やっぱりまりさのおもったとおりなんだぜ。あれだけさわげばおうちのいちをれいぱーありすにおしえるようなものなんだぜ」 基本的に街ゆっくりは自身の巣の周りではあまり騒がない。それはその音を聞きつけてやってくるありすやゲスゆっくり、しいてはれみりゃやふらん対策のためである。 羽付きが言うには、他の街ゆっくりの中でも警戒心が強いゆっくりは「おうち」を複数持っているという。 雨が降った時や何か危険が身に迫った時は近くの方の巣へ避難するためという意味合いがあるといった。 その話を聞きながら、ふと気になった。そういえば昨日の赤ぱちゅりーはどこだろうか? その時、うんうんまりさの横に落ちていた帽子の唾がモゾモゾと動いた。どけてみるとあの赤ぱちゅりーが元気よく飛び跳ねてくる。 「むきゅ!ゆっきゅち!ゆっきゅち!」 全く無傷なその姿を見て羽付きが半ばあきれるように驚いた。 「たすかってたのかぜ!?」 取り換え子ゆっくり、運がいいのは本当なのかもしれない。 私の足もとで飛び跳ねながら何かを口にしている。 「あみゃあみゃ!むきゅ!しゅっ!しゅっき!しゅっきり!あみゃあみゃ!」 あまあまを要求している様だ。そしてありす種の口癖らしきものを叫びながら私の足もとを跳ねまわっている。 跳ねまわる赤ぱちゅりーを尻目に、私は羽付きと一緒に踵を返して高架下を後にする。 あれだけ運のいい赤ぱちゅりーだ。きっと生き残るだろう。 私がそう思いつつ振り返る。羽付きもそれにあわせて赤ぱちゅりーの方を見る。 そのとてもラッキーな赤ぱちゅりーはすでに動かなくなったまりさ一家の周りをピョコピョコとただ孤独に跳ねまわり続けていた。 それからあの赤ぱちゅりーがどうなったか、羽付きが私と別れてすぐに見に行った頃には既にいなくなっていたという話だ。 今頃どこへ行っているのだろうか?少なくともあの赤ぱちゅりーが死ぬと言う事はまずあり得ないだろう。 自分だけが生き残って、周りが不運で淘汰されていく光景は、ある意味赤ぱちゅりーにとっては「アンラッキー」なのかもしれない――― 挿絵 byM1 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ミス…現地の案内人さんが厨二説ってのに変えます -- 2016-05-20 19 52 31 渡部陽一さんは厨二だった説に変わりそう…なんかこれが日常なんだなぁと…色んな野良の生き方があっていいなって思えました。 -- 2016-05-20 19 47 28 こういった、外部の人物が探索に出向く内容だと、案内役が必要不可欠。 で、こういうスラムのような場所に詳しく、かつ他種族(この場合は人間) と交渉できる強かさを持つ、となれば、羽付きのようなキャラクターになるのは 必然。毎度毎度厨二言ってるコメは、そうした事が解らないんだろうな。哀れだ。 まあ当時子供だったんだろうが…、コメントから5年後の今は多少は矯正された のかねえ?w -- 2016-01-18 17 52 06 実話ゆックルズ -- 2015-11-16 01 09 34 厨二コメがくど過ぎる。こいついつも湧くな。 -- 2013-03-25 18 32 32 相変わらずハードな内容だ。でも読んでしまう… -- 2011-10-04 23 23 25 いいや違うっ!ステアウェイトゥゆっげえだっ! -- 2011-07-09 19 54 01 真の馬鹿は自覚が無いっていうしな -- 2011-07-08 23 57 21 厨二厨二言うわりには自分が小学生以下みたいなことしてるのに気がつかないのね -- 2011-07-08 02 34 27 ↓ゆっくりりかいしたよ! -- 2011-03-05 22 56 53 ↓デレても毛ほども嬉しくないツンデレだなwwむしろ害悪だ みんな〜そんな頭悪い荒らしに付き合っちゃだめなんだぜ〜付け上がるから -- 2011-03-05 11 59 53 ↓実は羽付きにことが好きなんでない?ひょっとしてツンデレ? -- 2011-03-05 01 02 23 ↓↓の人は作品に厨二設定があるとキモいって言ってるの?最近のアニメ・マンガはおろか小説(ラノベじゃなくても)や、それこそ東方原作だってなにがしか製作者の作った厨二設定や厨キャラはあるでしょ。世界の村上春樹の小説にだってあるくらいだし。それら全部批判してるわけ? というかなんで他の羽付きSSにも同じこと書いてんの?キモくて嫌なら読まなければいいじゃん。なんで読み続けてるの? -- 2011-03-04 16 18 55 醜く殺されたから安心しろっつってんだろ ここにあるSSが全部だと思って調子こいてるんじゃないよ -- 2011-03-04 13 15 03 ↓ゆあ~ん?いつも連続投稿一人小芝居してる知恵遅れさんなのかぜ? キモい厨二設定はキモいとしか言いようがないのぜ キモ!羽付きとかキモ!キンモ~!キモキモ!! ウォッオゲェッエエエエェェッェ!キモ過ぎて吐いてしまったのぜ -- 2011-03-04 08 50 06 ↓×2こいつっていつもSSにキモイばっかコメントしてる奴じゃない?他に言葉知らないの? -- 2011-03-04 02 53 18 ↓何この頭悪いコメント。 -- 2011-03-04 00 09 59 羽付きがキモ過ぎて どんな話であっても羽付きがキモ過ぎたしか感想が残らないね たぶん羽付きはお帽子を脱ぐと邪気眼が付いてるんだろうな -- 2011-03-03 18 11 19 あのぱちゅりーがどうなったのか、激しく気になるぜ… -- 2010-10-18 23 56 28 どんどん書いて欲しい・・・ -- 2010-06-10 00 36 02
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売ゆん婦5 22KB 虐待-普通 悲劇 理不尽 共食い 飼いゆ 野良ゆ 現代 虐待人間 ぺにまむ 需要は少なそうだけど頑張ります 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事 完結作品 ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 1011 Can ゆー defend? 後編 『売ゆん婦5』 一、 子ちぇんとの情事はそう長くは続かなかった。 れいむのすっきりー経験はとうに百を超えており、それはゆっくりの生涯に行う平均すっきりー回数を大幅に上回っている。 まだ若い成体であったれいむだが、青年の“手入れ”により激しいすっきりーを何度してもかなり長持ちしていた。 危うくすっきりー死しかけたことも珍しくは無かったが、その都度野生や野良では不可能な治療を施され生き長らえてきたのである。 「ゆふぅうううっ!! ゆふぅうううっ!! ちぇんのぺにぺにが、すっごくあついんだよー!」 「ちぇん……、ちぇん、ゆっくりしないでおわってよ……」 れいむの体に蓄積された経験は当然普通のゆっくりとは比べるまでもなく、うねるように蠢いて攻め役のゆっくりのぺにぺにを包み込むまむまむは名器と呼ぶに相応しい。 子ちぇんの雄々しくそそり立ったぺにぺにも例外ではなく、それに絡みつかれていた。 「もうだめだよぉおおおっ!! でる、でちゃうよぉおおおっ!!!」 今回は子ちぇんとのすっきりーを精神的に苦痛に思ったれいむが意識的にまむまむの締まりを調節し、普段のそれよりもずっと相手の快感を深める結果になっている。 口で何と言おうが、れいむは青年からの調教がその身の中の餡子の一片に至るまで浸透した立派な売ゆん婦だった。 「す、す、す、すっきりぃいいいいいいいいいいいっ!!!」 「……すっきりぃいいいっ!!」 子ちぇんは甲高い叫びと共に果て、れいむも苦行から開放された安心感で気をやった。 押し止められていたチョコレートが一気に中へと出され、その熱さにれいむは身悶えする。 子ちぇんはぺにぺにの震えを抑えようとするが叶わず、昇天するような快楽を味わっていた。 「ゆふぅー……」 精根尽き果てたような子ちぇんに、青年の同僚はオレンジジュースを飲ませてからゆっくりフードを食べさせる。 子ゆっくりのすっきりーによる死を防ぐ為だ。 それを見ながら、れいむも幼い頃自分がそうされたことを思い出す。 青年がれいむにその処置をしたのは愛情からではなく、遊びを長く楽しめるようにする為だった。 「……すっごくよかったんだにぇー」 体力が回復した子ちぇんは艶々とした顔で初の情事の感想を呟く。 そのやり遂げた感が漂う表情をアップで撮影すると、青年は撮影を終えた。 「今回もそこそこの画が撮れたな」 「お前の動画、結構こっち側では評判いいぜ。あ、これすっきりー代な」 青年の同僚は子ちぇんのすっきりー料金として100円を支払う。 それを受け取ると、青年は財布の中に入れた。 「俺もれいむでどこまで評価されるか最初は心配だったんだけどな。ニヤニヤユーザーからは概ね暖かい目で見守られているみたいで安心したよ」 青年達の会話を聞きながられいむはのっそりと身体を起こす。 まむまむからは茶色いチョコが流れ出ていた。 「……」 (いつもどおりだよ……。れいむは、おしごとをしただけなんだよ) 胸の痛みを押し殺すように自分に言い聞かせていると、子ちぇんと目が合った。 「おねーちゃんとのすっきりーきもちよかったんだにぇー。またきたいよー」 「……そうなの? でも、あんまりすっきりーしすぎるとゆっくりできなくなるんだよ」 悪気無く微笑む子ちぇんに毒気を抜かれ苦笑する。 まだちぇんはおちびちゃんなんだ、れいむとのすっきりーが持つ意味をよく分かっていないだけなんだと思ったのだ。 そうやってしばらく雑談していると、青年の同僚が子ちぇんを呼ぶ。 「おいちぇん。筆下ろし後のピロートークも結構だが、そろそろ帰るぞ」 「わかったよー」 「そのれいむに入れ込むのもほどほどにな。お前には婚約者のらんがいるんだから」 ――――婚約者? 「なんだ、そいつフィアンセいるのか」 「ああ。ブリーダーやってるダチが一匹譲ってくれるって言ってな。まだ赤ゆだけど」 「らんしゃまはかわいいんだよー!!」 子ちぇんには決まった相手が既にいるらしい。 それは、もう誰かと添い遂げることなど考えられなくなってしまったほど汚れたれいむにはとても羨ましく感じられた。 「じゃあなんでそのらんが育つまで待ってなかったんだ? 幾ら思春期の子ゆっくりだって一人すっきりーすればどうにでもなるだろうに」 「ちぇんが言うには、今の内にすっきりーのテクニックを磨いておきたいそうだ。らんをリードしてやりたいんだと」 「こけんにかかわるんだにぇー」 つまり、れいむはただの練習相手。 最初から身体目当てだったわけだ。 (それでも、れいむは……) 青年はれいむを売ゆん婦と言った。 それは否定できないけど、なら、そんなどうしようもないれいむでもせめて、 「ちぇん」 「?」 「らんと、うまくいくといいね」 精一杯の笑顔で応援してやる。 “お客さん”にいい気分で帰ってもらえば、れいむのお仕事にも何かしらの意味があるというものだから。 例えその意味が、刹那的な快楽を提供するだけのことだったとしても。 「……ありがとうなんだにぇー!」 去っていく子ちぇんは、笑顔だった。 二、 子れいむが目を開けると、知っている天井が見えた。 仰向けに寝かされていたらしい。 (ゆ、れいみゅは……) ぽんぽんの軽さに違和感を覚え、そして赤ちゃんがりゅうざんっしてしまったことを思い出した。 ぺにぺにが入ってきて、赤ちゃんが自分の中で潰されていく感触と、まむまむから精子餡と共に赤ちゃんだったものが流れ出ていく喪失感。 望んでできた子供ではなかったとはいえ、れいむにとって初めての赤ちゃんだったのだ。 お話したかった。 一緒にむーしゃむーしゃして、おねんねしたかった。 自分を育ててくれたお母さんのように、赤ちゃんを慈しみたかった。 ゆっくりさせて、あげたかった。 「あかちゃん……」 それなのに赤ちゃんは生まれることすら許されず、ゆっくりしていってねの一言すら言えぬまま死んでしまったのだ。 「ゆぐぅっ」 涙を堪えようとしても啜り泣きが漏れ出す。 何故、こうなってしまったのだろう。 「どおしてこんなこと……」 「無能な饅頭が分不相応なことしようとするからさ」 子れいむの無意識の問いに青年が答える。 その声が聞こえた方向に振り向くと、青年が薄ら笑いを浮かべていた。 「おにいしゃん?」 「今のお前じゃ、自分の食い扶持稼ぐだけで精一杯ってところだろ。まだ子ゆっくりだしな」 青年が操作していたパソコンの画面には、情報屋まりさと子れいむの情事が映されていた。 それを見た子れいむの顔から餡の気が引く。 この後に起こることを知っているからだ。 「やめてぇえええ!! まりじゃやめでぇえええっ!!!」 このまま続ければ、赤ちゃんが死んでしまう! 既に起きた出来事は変えることは出来ないのに、子れいむはそれすらも忘れたようにモニターの中のまりさに訴え続けた。 「馬鹿だな。ま、所詮れいむか」 鼻で笑うと、青年は動画を止めてから子れいむに平手打ちをする。 ぱぁん! 「ゆ゛っ!!」 直接的な暴力を受けて顔を腫らす子れいむに青年は容赦せず、何度も叩く。 「いだいっ! もう、やめでっ!! おにいじゃん、れいみゅのおがおが!!!」 今までにも青年から折檻されたことはあったがそれは躾の為であり、してはいけないことを理解すれば止めてくれた。 だが、今子れいむが受けているのは純粋な悪意による暴力であり、ただ痛めつけることを目的にしたもの。 泣けば泣くほど青年を楽しませるだけなのだ。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 苦悶の声が喉から発せられる。 子れいむが暴力から解放されたのは、可愛らしい顔がぼこぼこに変形してからだった。 それでも皮が破れたり餡子を吐き出すような兆候は見られない。 青年は苦しめる為の力加減を心得ていた。 「そろそろお前の立場を理解させてやろうと思ってな。俺はお前を可愛がる為に飼っているんじゃない。 虐待して遊ぶ為に飼ってるんだ。単なるオ・モ・チャ」 「……?」 返事すらできないほど体力を消耗していたが、なんとか青年と目を合わせる。 (おにいしゃんは、ゆっくりできるおにいしゃんじゃなかったにょ?) 「理解できないか? でもな、お前を可愛がるんだったらこんなことする筈ないだろ」 「ゆ……」 心当たりはある。 れいぱーを嗾けられ、情報屋まりさと無理やりすっきりーさせられ赤ちゃんを殺された。 「……れいみゅが、きらいなにょ? だからいじめるにょ?」 呼吸を整えると青年に問いかける。 自分が嫌いなら、悪い所を言ってほしい。 そうすればきっとお兄さんに好かれるようなゆっくりになるように頑張るから。 「いや、お前の事が嫌いなんじゃないぞ? 寧ろ好きさ」 「じゃあ、なんで……」 ところが青年は自分を好きだと言う。 好きな相手にどうして酷い事ができるのだろうか。 「ただちょっと愛情表現が歪んでるだけなんだ。俺はな、お前が泣いたり叫んだり、悲しんだり痛がったりするのを見るのが大好きなんだよ。 それに、お前だって苛められる代わりに食い物と寝床の心配はないし、死ぬことはないんだ」 「それはそうだけど、それだとれいみゅがゆっくりできにゃいよ」 「元々お前をゆっくりさせる気なんてないんだ、当たり前さ」 「……」 れいむは、青年にこれ以上何かを言うのを諦めた。 自分がどんなことを言っても彼にこの想いが届くことはないのだろう。 その頬をつたう涙は、きっと顔の痛みだけのせいではなかった。 三、 腫れが引き、子れいむの顔は以前同様の可愛らしさを取り戻した。 数日間の休養で体力も充分に回復している。 れいぱーの死体を嫌々ながら食べていたことにより必要な栄養も摂取できていた。 「ふむ、そろそろいいか」 青年は出かける身支度を始めていた。 キャリーケースやオレンジジュースなどが準備されており、子れいむを伴っての外出らしい。 それを見た子れいむの身体がびくりと震える。 前回の外出では酷い目に遭ったのを思い出したのだ。 「おにいしゃん、またれいみゅのこといじめるにょ?」 「そうさ。言ったろ? 一回も二回も三回もたくさんも同じだって」 (また、すっきりーなんだにぇ……) れいぱーの死体がなくなったこともあり、子れいむはまた仕事をして自分の食い扶持を稼がなければならない。 その手段が手段だから憂鬱な気分なのだ。 「またあのまりさに会いに行くんだ。あいつに客の紹介頼んどいたからな」 「……っ!」 あのまりさとは、情報屋のことだろう。 命令をしたのは青年だが、あのまりさは赤ちゃんの仇なのだ。 拒否できる状況ではなかったことは分かっている、だが、割り切れたわけではない。 どんな顔をしてまりさに会えばいいのか、子れいむは分からなかった。 四、 先日と同じく情報屋まりさの眼は冷たかったが、どこか罰が悪そうなようにも見受けられた。 しばらく子れいむとまりさは見詰め合っていたが、やがてまりさの方から視線を外すと青年との商談に入る。 「おにいさん、またこのれいむをつれてきたってことは、れいのけんなのぜ?」 「そうだ」 (このれいむも、とんでもない人間さんに飼われてるんだぜ) 哀れみを感じないでもないが、自分の仕事は青年を楽しませることで、つまり子れいむを苦しませることだ。 結局この子れいむにとっては、自分も青年も何ら変わらない存在であるのかもしれない。 「ここからそうとおくないところを、にんげんさんがかいゆっくりとすっきりーさせてくれるすっきりぷれいすだってしりあいにいっておいたのぜ。 あんないするからついてきてほしいんだぜ」 専用のすぃーに乗って静かに移動し始めるまりさを追い青年が歩き始める。 少し歩くと、やや奥まった場所に何匹かのゆっくりがいた。 そのどれもが薄汚れており、野良だと分かる。 「おそいわよまりさ!!」 「そうだよ! かわいいれいむをまたせるなんてまりさはぐずだね!!」 「んほっ! いいれいむ……」 「そんなにおこるとゆっくりできないのぜ、ぱちゅりーとれいむ。 ありすはすこしじちょうするのぜ」 ぱちゅりーとれいむはまりさが遅かったことについて怒りを感じているようだが、ありすはそんなことよりも青年が持った子れいむを気に入ったようで、性欲を隠そうともしない。 「むきゅきゅ、なかなかのびゆっくりね!!」 「れいむのほうがかわいいよ!! ぱちゅりーのおめめはふしあななの!?」 「そんなのどうでもいいからはやくすっきりーしたいわぁあああ!!!」 れいむを除いた二匹のお眼鏡にはかなったようで、早速すっきりーの体勢に入る。 れいむは同じれいむ種ということもあり、素直に己の容貌が子れいむより劣っていることを認められないようだ。 (こんどは、さんにんもなにょ!? れいみゅこわれちゃうよぉ!) ぱちゅりーとありすは順番争いで揉めていたようだが、二匹の間で行われた協議の結果最初にぱちゅりーがすっきりーするということに決まった。 「むきゅ! ぱちぇがいちばんやりよ!!」 「あそこでぐーをだしていればぁあああ!!」 ……訂正、ただじゃんけんをしていたようである。 手もないゆっくりがどうやってじゃんけんをしているかは、舌の複雑な動きでやっているということにしておいてもらいたい。 「さぁ、まむまむをみせなさい!」 「ゆぅ……」 言われるがままに子れいむはまむまむをぱちゅりーに向ける。 羞恥で顔が赤く染まるが、その初々しい様子がぱちゅりーには好ましかった。 「まだおちびちゃんなのにいやらしいわね! ここはこんなにぬれているわ!! しょうらいがおもいやられるわね!!」 まむまむに顔を擦りつけて濡れ具合を確認し、言葉責めを始める。 子れいむも自覚しているのか、反論しようとしない。 それを撮影する青年を、情報屋まりさは他ゆん事のように見ていた。 「むっきゅっきゅ!! このまちのけんじゃのちてきなぺにぺにでいかせてあげるわ!!」 貧弱な身体同様貧相なぺにぺに。 それを子れいむは受け入れた。 「ゆんっ!」 「れいむのなか、とろとろよぉっ! ぱちぇこんなのはじめてだわぁっ!!」 「ありすがさきにすっきりーしたかったのにぃいいいっ!! こうなったらもうれいむでいいわぁあああっ!!」 「ゆんやぁああああああっ!!! こっちこないでねぇえええっ!!!」 ぱちゅりーと子れいむの情事に触発され、最初から発情していたありすは近くにいたれいむで性欲を発散させようとする。 れいむも大人しくすっきりーされるような輩ではなく、逃げまどう。 そんな出来の悪いコントのような情景とは一切関係なく、ぱちゅりーは子れいむに挿入してから一分も経たずに絶頂を迎えようとしていた。 早漏である。 「ぱちぇのけんじゃないでんしをうけいれられることをこうえいにおもいなさぁあああいっ!!! すすすすすすすすっきりぃいいいいっ!!!」 子れいむが達する間もなくあっさりと果ててしまうぱちゅりー。 それでも生クリームがまむまむに染み渡り、ぽんぽんが膨れてしまう。 二度目のにんっしんっだ。 青年は撮影の手を休めると、子れいむにオレンジジュースを飲ませる。 「しあわしぇー……。また、あかちゃんできちゃったよぉ……」 オレンジジュースの甘味に少しだけ幸せな気分になるが、悲しそうな顔で子れいむは呟く。 青年は、赤ちゃんがぽんぽんにいても構わずに自分にすっきりーをさせようとするだろう。 そうすれば当然赤ちゃんは死んでしまう。 生まれる事ができないと分かっている我が子、その運命に涙した。 「おいぱちゅりー、すっきりー代」 「むきゅ?」 「むきゅ? じゃねえよ。早く払え」 青年は精根尽き果てたぱちゅりーに手を伸ばして代価を要求する。 そういう約束で来たのだから、持っているものだと認識していたのだ。 「それならとっくにはらったじゃないの」 「何?」 「まちのけんじゃであるぱちぇのあかちゃんをうめるのよ? それがどんなにすばらしいことか、にんげんさんのあんこのうなあたまではりかいできなかったみたいね、むきゃきゃ!!」 ぱちゅりーによると、自分の子供を孕むこと自体が名誉なことなのだからそれで充分すぎるくらいの報酬だろう、ということらしい。 無駄に自信に溢れた賢者(笑)である。 「お前の餓鬼なんてなぁ……」 「むきゅ?」 「ゴミ以下なんだよ!!」 「むきゃぁああああああああっ!!!」 物の価値を理解していないその発言に苛立った青年は、ぱちゅりーの髪の毛を毟り取った。 その瞬間を偶々目に入れてしまったありすはぺにぺにを恐ろしさで引っ込める。 れいむも逃げるのを忘れて見入ってしまった。 青年は痛みで放心しているぱちゅりーの帽子で汚れを拭う。 「すっきりー代が払えないっていうんなら、お前の身体で払ってもらうしかねえなぁ」 「むきゅうん!? ま、まさか、にんげんさんはぱちぇとすっきりーしたいの!? いくらぱちぇのあふれんばかりのちせいにむらむらしたといってもそれはこまるわ!! むっきゅりできないわ!!」 何を勘違いしたのか、ぱちゅりーは顔を赤らめいやんいやんと身を捩る。 その自尊心だけが肥大した姿に青年は呆れたが、すっきりー代を払うつもりがないのは明らかなのでその場合の対処をすることにした。 「お前みたいなゲロ饅頭に欲情する筈ねえだろうが」 「むぎょぉおおおおおおおっ!!」 青年がしたことは単純なこと。 拳でぱちゅりーの脳天を貫いて即死させただけだ。 滑稽な叫び声を上げたっきり、動きを止めるぱちゅりーの中身を回収するため顔面を完全に崩す。 指を目と口から入れ、破っていく。 知り合いのゆっくりがグロテスクに殺される姿を見たれいむとありすはおそろしーしーを漏らしていたが、情報屋まりさは眉一つ動かさなかった。 肝が据わっているのか、それともこんなことは虐待鬼意惨と関わるとよく見る光景だからなのか、それは本ゆんに聞いてみないと分からない。 子れいむは目を閉じていた。 「とかいはじゃ、ないわぁ……」 「にんげんさんこわいいいい!!」 二匹の怯える声をBGMに、青年はぱちゅりーだったものの中身をビニール袋に移し変えた。 皮までは不要らしく打ち捨ててある。 「さて」 「「ゆ゛うっ!?」」 「お前等はちゃんとすっきりー代持ってるんだろうなぁ?」 「「もっでないでずぅううううっ!!」」 青年は嘆息する。 せめて一匹ぐらいはまともに代価を支払う奴がいると思っていたのだが。 ならば仕方ない、元々これはただの趣味だ。 今回は許してやるとしよう、まだこいつらはすっきりーしたいないのだから。 「なら帰れ。それと知り合いに言っとけよ? ただですっきりーしようとしたら、このぱちゅりーと同じ目に遭わせてやるってな」 「「わがりまじだぁああああああ!!!」」 二匹はゆっくりらしからぬ速度で跳ね、逃げていった。 見せしめの効果はあるだろうが何分ゆっくりのこと、効き目がどれだけの間持続するのか分からない。 定期的に何匹か潰しておけばいいだろう、そう思った。 「だいじょうぶなのぜ?」 「ゆん、れいみゅはだいじょうぶだよ。でも……」 「……またにんっしんっしてるのぜ」 まりさは子れいむのぽんぽんを見ると目を伏せた。 気の毒だとは思う、だが自分にはどうすることもできない。 「れいむ」 「……なに?」 「ゆっくり、したいのぜ?」 「れいみゅは、ゆっくりしたいよ……。おちびちゃんもうみたいよ」 子れいむはまだ希望に縋ろうとしている。 なら、自分の役目はそれを打ち砕くことだ。 恨まれてもいい、でも、これから子れいむはもっとゆっくりできない目に遭うだろう。 ならばその時に備えて、ゆっくりとして生きる為の覚悟を教えておかなければなるまい。 何の罪滅ぼしにもならない自己満足だけど。 子れいむの最初の子供を殺してしまったことにまりさは引け目を感じていたのだ。 「よくきいておくのぜ。れいむ、まりさたちはなんなのぜ?」 「ゆっくりだよ? ちがうにょ?」 「そうなのぜ。でも、おぼえておくのぜ。ゆっくりは、ほんとうのいみでゆっくりできるのはしぬときだけなんだぜ。いきてるときにゆっくりしてると、しぬんだぜ」 子れいむは眼を見開いて驚く。 ゆっくりとしての存在意義をまりさは否定しているのだ。 それだと、れいむ達はゆっくりしていてはいけないということになるのではないか? 「れいみゅたちはゆっくりしなきゃだめなんだよ? おかあしゃんも、ゆっくりしてたんだよ?」 「だから、みんなしぬのぜ。ゆっくりがゆっくりするためには、なにがひつようなのぜ?」 「かぞくと、ごはんしゃんと、おうちだよ。あまあまがあれば、もっとゆっくりできるよ」 「ふつうのこたえなのぜ。でも、そんなものめったにないんだぜ?」 「ゆ!?」 その通りだった。 母れいむと街で暮らしていた時には、僅かな食料で飢えを凌いでいた。 おうちはゲス一家に奪われてしまった。 ゆっくりしていたお母さんは、自分を生かすために死んだ。 「じゃあ、れいみゅたちはゆっくりできないにょ?」 「そうなのぜ。ゆんせい、あきらめがかんじんなのぜ」 「まりしゃはゆっくりしたくないにょ?」 ゆっくり? 笑わせてくれる。 まりさは子れいむの問いに冷笑を浮かべた。 「ゆっくりしてたら、まりさはとっくにしんでるんだぜ」 五、 時は流れ、亜成体にまで子れいむは成長した。 青年による手入れと母親譲りの愛らしい顔立ちを持ったれいむは立派な美ゆっくりに育っており、その憂いを含んだ物腰が客のゆっくり達の評判を呼んでいた。 れいむに付きまとう影、それはすっきりーの度ににんっしんっとりゅうざんっを繰り返したことによる。 青年は、れいむがにんっしんっしたら必ず数日間仕事を休ませるのだ。 その間にぽんぽんの中の子供に対する母性が培われ、どうしても愛おしさを感じてしまう。 そのタイミングを見計らってすっきりーをさせるのだ。 客の中には妊婦とすっきりーするなんて、と難色を示す者もいたが、大抵は妊婦プレイに大喜びであった。 「ゆっくり、できないよ」 すっかり子ゆっくり言葉も抜けて大人の雰囲気を醸し出すれいむ。 その眼差しに光はない。 「れいむ。今日も仕事だぞ」 「ゆん」 身も心も疲れ果てていた、そんな毎日に変化が訪れる。 「「すすすすすすすすすすっきりぃいいいいっ!!!」」 その日も売ゆんをしていたれいむだったが、何時もとは違ったことが起きた。 にんっしんっしないのである。 「ゆ?」 膨らまない己のぽんぽんを見て疑問符を浮かべる。 ゆっくりがすっきりーを行うと確実に孕むのだが、今回はその兆候が見られない。 どうしたものかと思っていると、家に帰った後青年は残酷な事実を告げた。 「遂ににんっしんっしなくなったか。喜べよ、もうすっきりーする度に餓鬼が死なないですむぞ」 短いサイクルでのにんっしんっとりゅうざんっのループ。 それは母体であるれいむに悪影響を及ぼしていた。 ぽんぽんの中の赤ちゃんを育てる部分、それが通常ではありえない頻度で酷使されたせいである。 「じゃあ、れいむはもう……」 「ああ。二度と胎生型にんっしんっはできない。そして……」 青年は赤熱した鉄の棒を取り出すと、それをれいむの額の茎が生えるであろう部分に押し当てた。 ゆっくりの構造を熟知している青年にとっては、何処に茎が生えるか見分けることなど容易いことである。 「~~~~~~~!?」 「暴れるな、痛いぞ。あ、やっぱり暴れてもいいぞ」 「あじゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!! れいむのおがおがああああああっ!!!」 じゅっという音と共に餡子が焼ける香ばしくも甘い臭いが室内に立ち込める。 たっぷりと一分間それを続けると、れいむの額は炭化していた。 これで、れいむはその身に子を宿すことができなくなったのだ。 胎生型も、植物型にんっしんっも叶わない。 「どうだ、にんっしんっできなくなった感想は?」 「れいむ、もうおかあさんになれないの?」 「そうだ」 小麦粉でれいむの額の補修をしながら青年は冷徹にれいむを地獄へと突き落とす。 「……なんで? れいむ、おかあさんになりたかったんだよ? あかちゃんをうんで、ゆっくりさせてあげたかったんだよ? けっこんっもして、しあわせに、なりたかったのにぃいいいいいいっ!!! ゆわ゛ぁああああああああああああああああああああああっ!!!」 家庭を持つことだけなら、番は必ずしも必要というわけではない。 しんぐるまざーという手段があり、事実れいむもそうして育てられた。 しかし、今のれいむにとってはそれ以前の問題だった。 子供が作れないということは自分の餡子を継ぐ者がいないということで、そんなゆっくりを好き好んで番にしようという物好きなど滅多におるまい。 飼いゆっくりなら飼い主に子作りを禁止されて去勢されている個体が多いから話は別だが、元来ゆっくりにとって、おちびちゃんはゆっくりできるものの中でも至上の価値を持っているのだ。 街のゆっくりにとっては食料や住処などにより多くの労力を必要とするデメリットも確かに存在するものの、厳しい生活の中での数少ないゆっくりでありその幸せに対して投資する価値は充分にある。 その幸せを手に入れる可能性が、奪われた。 その日、れいむは寝る時まで声が枯れるほど嘆き悲しんだ。 眠った後も、夢の中でさえその悲劇に対して悪夢を見た。 誕生さえ許されず、死んでいった子供達がれいむを責め立てるのだ。 種族はれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん等様々で、統一性は皆無だったがそのいずれもがゆっくりとしての体裁を整えていないほど形が崩れている。 胎内で掻き回されて死んだからだ。 それに取り囲まれ呪詛を浴びせらる恐怖は筆舌に尽くし難い。 (どうちてうんでくれなかったにょ?) (まりちゃゆっくちうまれたかったんだじぇ) (いにゃかもにょ!!) (ぱちぇをうんでくれないにゃんて、くじゅおやにぇ!!) (わきゃらにゃいよぉー) (たんちょー! ほうきぇー!!) 口さえ欠損している個体もいるのに、れいむには彼女達の言葉が聞こえていたのである。 (ごめんね、赤ちゃん達ごめんね……。産んであげられなくてごめんね。 れいむなんかの子供じゃなかったら、産まれられたかもしれないのに……。ゆっくりできたかもしれないのに……) 夜明けが来て朝日が顔を出し、眼が覚めてもれいむの心に光は射さなかった。 売ゆん婦シリーズはストレートな虐待というより、すっきりーとれいむの精神的な苦痛がメインです。 純粋なゆ虐を求める人には生温いかもしれませんが、その分は自分の他作品でやりたいと思うのでご了承下さい。 次回の売ゆん婦では主に情報屋まりさの描写をしたいと思っています。 愛でssを書こうとしてもまったくネタが思いつかないヤリまむあきでした。 ヤリまむあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 6を… -- 2012-05-08 12 23 19 凄くおもしろいのに6がないんだねーゆっくりまってるよー -- 2011-06-29 08 28 57 続きを・・・ -- 2010-06-12 03 24 49
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9月20日 携帯画像に裸映像 ネット上にも 神戸・高3自殺 HPについて、パスワード制、アクセス数2万以上と報道 9月22日 神戸・高3生自殺 「いじめ原因」認める 再調査で学校側 同級生3人関与も 学校側が自殺の原因をいじめだとはじめて認める。「逮捕された生徒以外の三人」B、Y、E 9月22日2 「調査結果説明ない」遺族、学校対応に不満 高3自殺 遺族「学校からは、会見のことや生徒に行った聞き取り調査の結果について知らされていなかった。」 9月27日 「兆候たくさんあった」逮捕の生徒が作文 高3自殺 自殺後、Hが学校で書いた作文「もっともっと長生きさせてやれたと思うと本当に悔しい」 10月15日 2少年を家裁送致 神戸・高3自殺 神戸地検 地検、BとYを少年院相当と意見書。Yをネットへの書き込みの中心と地検調査で明かす 10月16日 『地検、捜査継続の方針 神戸・高3自殺』 地検、捜査継続方針を明らかに。 10月16日2 逮捕の生徒、恐喝未遂認める 神戸・高3自殺 BとY、Hに恐喝メールの責任を転嫁するような供述があったと報じる 10月29日 神戸・高3自殺、学校会見「調査では本人否認」 Iの逮捕、高校側「(遺書で逮捕生徒名指し&売買は知ってたが)いじめとは思ってなかった」と釈明。 10月29日2 恐喝容疑で新たに同級生逮捕 神戸・高3自殺 Ⅰの逮捕、1年のとき同じクラスだったと報じる 10月30日 逮捕の生徒、私物を売りつけ? 神戸・高3自殺 Iの自宅から大量のアクセサリー類を押収。I、被害者に4,5回売りつけたことが学校調査でわかる 11月7日 県教育課の聴取に学校 第3者委員も検討へ いじめ防止対策特別委員会への県教育課のアドバイスに「すでに検討している」と徳元教頭 11月8日 容疑認める供述、逮捕の男子生徒 神戸・高3自殺 I、「アルバイトをしてでも金を払え」と恐喝メール。仲介したBの関与は薄いと警察が判断 11月30日 いじめ自殺、対策委が初会合 神戸の私立高 県教育課からの指摘により第三者を加えた「いじめ防止対策特別委員会」の初会合 12月5日 少年を中等少年院送致 高3自殺に「責任の一端」と家裁 I、恐喝動機について「電動自転車を購入したかった」と供述 3月31日 校長らを処分 神戸の私立高いじめ自殺 3月に県教育課へ提出した答申書を公表したと伝える
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ある森の奥に、ゆっくりの群れがあった。 餌は豊富で天敵も少なく、皆に笑顔が絶えない、とてもゆっくりとした群れだった。 群れの誰もが、この幸せが永遠に続くと信じて疑わなかった。 その日もゆっくり霊夢の一家が、楽しそうに遊んでいた。 「ゆ~、こっちこっち~」 「おねーしゃん、まっちぇ~」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!」 「みんな、きをつけてあそんでね!」 そんな時、一匹のハチがかすかな羽音と共にやってきた。 体長一センチ足らずの、ごく小さなハチである。 ハチは赤れいむの頬にとまると、その尻の先にある針を赤れいむに突き刺した。 「ゆ!いちゃいよ!」 「あかちゃん、だいじょうぶ!?」 親れいむがハチに気付いた頃には、既にハチは空へ飛び立っていた。 慌てて赤れいむの方へと駆け寄り、患部をペロペロと舐める。 「いたいのいたいの、とんでけー」 「ゆーん!ゆーん!」 幸いにして小さいハチだったため傷も小さく、毒性も低かったようだ。 数分もすると痛みは引き、赤れいむは再び元気になって遊び始める。 その姿を見て、親れいむもほっと一息ついた。 この時は誰も、この小さなハチが群れ全体を恐怖に陥れるなど思いもしなかった。 一ヶ月ほどが経った。 赤ゆっくり達も無事成長し、子ゆっくりと呼べる大きさになった。 何一つトラブルなど無い生活だったが、ある日突然、一匹の子れいむが苦しみだした。 「ゆゆ!な、なんかいたいよ!」 「ど、どうしたの!?」 「おねえちゃん、だいじょうぶ?」 「い、いたいよおおおおおおお!!!!!」 家族達が心配そうに子れいむの周りに集まってきた。 しかし、痛みの原因も分からず途方にくれるばかり。 一方、子れいむの痛みはどんどん激しさを増していった。 そしてついに。 「ゆぎゃああああああああああ!!!!!!!!」 一層大きな子れいむの悲鳴と共に、子れいむの皮に小さな穴が開いた。 同じ穴はあちこちから次々と開き始め、その数は最終的に総計10ほどとなった。 そして、その穴から小さなハチが姿を現し、外に出るとすぐに飛び去って行った。 巣には餡子の減った子れいむの死骸と、呆然とする家族達が残された。 同様の出来事はれいむ一家に限らず、群れのあちこちで起こっていた。 ゆっくりの種や大きさなどは関係無しに、突然苦しみ出したら、体内からハチが現れたというものだ。 平和だった群れに訪れた突然の事件に、群れの幹部であるゆっくり達は頭を悩ませていた。 「ゆ~……いったい、なんなんだろう……」 「あんなはちさん、しらないよ」 「わからない、わからないよー!」 その時、群れ一番の識者であるぱちゅりーに、一つの仮説が浮かんだ。 「むきゅ、もしかするとあれは『きせいばち』かもしれないわ」 「「「「「き、きせいばち!?」」」」」 「みたことない?いもむしさんから、はちさんがでてくるの」 「ゆゆ!れいむは、みたことあるよ!」 「まりさもあるんだぜ!」 「むきゅ……おそらく、あれのいっしゅよ」 実際、ぱちゅりーの予想は当たっていた。 このハチは、ゆっくりの体内に卵を産みつける寄生バチである。 成虫はゆっくりの体の大きさに見合った数の卵を産み、幼虫は体内の餡子を食べて成長する。 その際ゆっくりが暴れないように、痛みを抑える物質を分泌しながら食べる。 そして蛹になり羽化すると、餡子と共にゆっくりの皮を食い破って外へ出る。 その時になると、もうその物質は必要ないので分泌されない。 他の多くの生物同様、ゆっくりも体内からの刺激に弱い。 体内から餡子と皮を食い破られる痛みは体外からのそれの比ではなく、大いに苦しんだ後ショック死してしまうのだ。 自覚はなくとも、餡子が減って抵抗力が落ちているのも死に至る原因の一つであろう。 「じゃ、じゃあ、どうすればいいの!?」 「むきゅ……それは……」 ぱちゅりーは困ってしまった。 寄生されたゆっくりを助けるには、体内の幼虫のみを取り出すしかない。 しかし、もちろんそんな方法は存在するわけがない。 「とりあえず、ひがいをひろげないように……いまはそれしか……」 「も、もしかして、さされたらたすからないの!?」 寄生バチに寄生された芋虫は、その時点で死が確定される。 そのことをぱちゅりーは知っていた。ということは、自分達も同じであろう。 「ざんねんだけど、たぶん……」 「ゆゆうううううう!!!!!!」 「そんなのいやなんだぜえええええ!!!!!!」 たちまちのうちに、皆泣き出してしまう。 今まで平穏に暮らしていたので、予期せぬ敵の出現にパニックになっているようだ。 そんな時、一匹のまりさが叫んだ。ぱちゅりーの夫であり、群れのリーダーのまりさだ。 「しょうがない!きょうこうさくにでるよ!」 リーダーまりさは、群れのゆっくり達をすぐに集めた。 「ゆうう……なんなんだろう」 「りーだーから、おはなしがあるって」 「だいじなはなしなんだね、わかるよー」 ざわめくゆっくり達の前に、リーダーまりさが姿を現す。 その横には、妻のぱちゅりーもいる。 「みんな、よくきいてね! はちさんにさされたことのあるゆっくりは、まえにでてきてね!」 ゆっくり達はポカンとする。 ハチに刺されることの何が問題か、全く理解できなかった。 とりあえず言われた通りに前に出る。群れ全体の一割にも満たないが、少しはいるようだ。 「みんなは、たしかにさされたね?」 「ゆ~、そうだけど?」 「それじゃあつぎは、ぱちゅりーのはなしをきいてね」 ぱちゅりーが、寄生バチについて話し始めた。 ゆっくりに寄生するハチが出現したこと。 ゆっくりに卵を産みつけ、幼虫は体内で餡子を食べて成長すること。 羽化する時の痛みで、ゆっくりは死に至ること。 そして、助ける手段はないということ。 「こ、こわいよおおおおお!!!!!!」 「まりざ、だずがらないのおおおおお!!!!!!」 「ゆーん!!おかーしゃん、たちゅけちぇえええ!!!!!」 「ちんぽおおおおお!!!!!」 話が終わった時には、群れは大パニックであった。 幹部達同様、元々天敵の少ない土地で初めて現れた大敵の恐怖は、相当なものだったようだ。 そんな中、リーダーまりさは声を張り上げる。 「だいじょうぶだよ!ひとつだけ、たいさくがあるよ!」 「ゆ!な、なんなの!?」 皆がリーダーまりさに注目する。 「それはね……いまのうちに、ゆっくりごと、はちさんをころすんだよ!」 水を打ったように、場が静まりかえった。 すぐにはリーダーまりさの言っている意味が分からなかった。 そんな中、リーダーまりさはピョンと跳ね、前に出ていた一匹の赤れいむの所へ着地する。 悲鳴をあげる間もなく、赤れいむは潰れ絶命した。 「はやくしないと、みんなさされるよ!」 その声を皮切りに、一斉に群れのゆっくりが襲い掛かっていった。 「たすけてええええ!!!!!!」 「むれのために、ゆっくりしんでね!」 「おかあしゃああああああん!!!!」 「やめてええ!!!!ありすのあかちゃん、ころさないでえええ!!!!」 「いやだぜ!さされたゆっくりは、ゆっくりできないんだぜ!」 「わがらない、わがらないよおおおお!!!!!」 あっという間に、前に出たゆっくりは全員潰された。 何匹かのゆっくりは、体内にいたであろうハチの幼虫や蛹と共に潰れていた。 幼虫も蛹もいないゆっくり達の方が多かったが、それはおそらく多種のハチに刺されたのだろう。 とんだとばっちりである。 「よし!これではちさんは、ぜんいんやっつけたよ!」 「これでまた、ゆっくりできるね!」 「むきゅ……ごめんなさい、みんな……」 ゆっくり達はぞろぞろと帰っていく。 後には家族を殺され、すすり泣くゆっくりの声が聞こえた。 その翌朝。 今日も元気に、あちこちのゆっくりからハチが羽化していった。 「またはちさんがでたよ!ぱちゅりー、どういうこと!?」 「むきゅ……たぶん、さされたことを、わすれたんだと……」 「な、なにそれ!ばかばっかりだね!」 リーダーまりさは再び群れのゆっくりを集めた。 あちこちで泣いているゆっくりがいる。今朝、家族が犠牲になったのだろう。 「はちさんにさされたか、ちゃんとおもいだしてね! おもいだしたら、ちゃんとほうこくしてね!」 しかし、今回は前に出てくるゆっくりは一匹もいない。 当然である。報告しても昨日みたいに殺されるのが分かりきっているのだ。 そもそも、今思い出せるようなら昨日でも思い出せるだろう。 「ゆうううううう!いないはずないでしょ!」 「むきゅ……まりさ、そのへんで……」 結局、今日は何の成果も挙げられなかった。 その日から、ゆっくり達の生活は一変した。 全ては寄生バチへの恐れによるものである。 まず、皆が外出をためらうようになった。 「ゆうう……おそとで、あそびちゃいよ……」 「でも、はちさんこわい……」 昨日まで元気に遊んでいた赤ゆっくりや子ゆっくりは、巣の中に引きこもるようになった。 「まりさああああ!!!!あかちゃんのごはん、とりにいってよおおおお!!!!」 「いやだぜ!れいむがいくんだぜ!」 「おにゃかちゅいたよおおおお!!!!!!」 「ごはんまだああああ!!!!」 親ゆっくりの中には、子供への食料を取りにいくことを拒むものも現れた。 時々巣の中にハチが侵入したりすると大騒ぎだ。 「ゆぎゃああああああ!!!!!!」 「こっちこないでええええ!!!!!」 「さ、さすんなら、れいむをさしちぇね!」 「どぼちてちょんなこというのおおおおおお!」 「って、なんででこっちにくりゅのおおおおおお!」 赤まりさが刺され、ハチが巣から外へ出て行った。 そして、その直後。 「ゆっくちちね!」 「まりちゃがいりゅと、ゆっくちできないよ!」 「はちさんにさされたら、ゆっくりしんでね!」 「おかあしゃん、たちゅけちぇえええ!!!!」 「ごめんね、あかちゃん……」 刺されたゆっくりは、すぐに家族の手にかけられた。 しばらくすると、家族もハチを発生させた家として危険だと見られ、皆殺しにされるようになっていった。 もちろん、外でも危険はつきまとう。 仲の良い数匹で震えながら狩りをしているところに、ハチが姿を現した。 「ゆゆ!で、でた!」 「ゆっくりしないでにげるよ!」 「あ、ありすをさすのは、いなかもののやることよ!」 たちまち狩りは中止、逃亡の開始である。 もちろん刺されると、仲など一瞬にして崩壊する。 一匹のゆっくり霊夢を刺して、ハチは去っていった。 「みんな、れいむがさされたわよ!」 「ゆうう!!!そんなこといわないでえええ!!!!」 「れいむが、さされたって!?」 「さされたゆっくりは、しょけいだちーんぽ!」 あっという間に集まってきたゆっくり達によって、すぐさま潰される。 狩りに行こうとしない親ゆっくりでも、こういう時は速かったりするものだ。 また、一匹で狩りをしているゆっくりが刺されると、 「ゆゆ……どうするんだぜ…… と、とにかく、むれにはだまっておくんだぜ……」 殺されるのを承知で報告するゆっくりはいない。 彼らのような者がいるため、決して寄生バチの根絶はできないのだ。 また、 「ゆううううう!もうだめなんだぜえええええ!」 絶望して川に身を投げる者もいた。 そして更には。 「みんな!このありすが、さされたんだぜ!」 「ゆ!しかたないね、しょけいだよ!」 「ゆっくりしね!」 「あ、ありすはさされてなんて……ゆびゃああああ!!!!!!」 嫌いなゆっくりに無実の罪を着せ、皆に殺させるゆっくりも現れた。 冬が近づくと、冬篭りのため嫌でも狩りに行かなければならなくなる。 外出が増えると、その分刺される危険も増えていく。 「ただいま!あかちゃんたち、いいこにしてた!?」 「ゆ……おかーしゃん、さされちぇないの……!?」 「ゆゆ!さ、さされてなんかないよ!」 「うそだ!きっとさされちゃよ!」 「さされちゃおかーしゃんとは、ゆっくちできないよ!れいみゅは、いえをでりゅよ!」 「どぼちてえええええ!!!!!いまでたら、だめえええええ!!!!!」 もはや家族間ですら信用を置けなくなっていき、巣を出て行く赤ゆっくりや子ゆっくりもいた。 しかし、親の加護無しに生き延びれるほど、冬は甘くないということは知らなかったようだ。 そして、今のところハチの被害を受けていない家族が大半だが、彼らも常に恐怖に怯えている。 ハチの脅威に晒されている現在、 「「「「「むーしゃ、むーしゃ……」」」」」 以前のように『むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!』などと言えるゆっくりは一匹もいなかった。 そして、冬が到来した。 全てのゆっくりが自分の巣にこもり、冬篭りをしている。ぱちゅりーの家もそうであった。 「ゆ……おとーしゃん、こなかったね……」 「むきゅ……」 子まりさと子ぱちゅりーが言う。 ぱちゅりーの夫のリーダーまりさは、もう一ヶ月近く巣に戻っていない。 ぱちゅりーには分かっていた。おそらく、狩りの最中にハチに刺されたのだろう。 そして恐怖にかられ自殺したか、どこか遠い所へ逃げていったか。 刺された時点で、どこにも逃げられる場所など無いというのに。 「おねーちゃん、おなかすいたね……」 「むきゅ、がまんしましょう……」 夫のまりさがいなくなり、体の弱いぱちゅりーだけでは冬を越すのに十分な食料を集められなかった。 自分も2人の子供も、春までは持たないであろう。 死を受け入れてからは、逆に冷静になれた。そして考え続けた。 確かにあのハチは恐ろしい存在だ。しかし、そこまで騒ぐほどだったのだろうか? 沢山のゆっくりが死んだように思うが、その中で本当に寄生されていたのは、ほんの一部なのでは? 多くは寄生された疑いがあるとか、寄生されたゆっくりの家族だとか、そんな理由だったように思う。 それなら本当にハチが原因で死んだ者は、ごく稀に現れるれみりゃ等の捕食種による被害と大差ない。 ならば、多少の被害は出ても、ハチにそこまで怯えず幸せな生活は続けられたのだろう。 「むきゅ、おかあさん、なんでわらってるの?」 「いや……ちょっと、ばかばかしくなってね……」 なまじ中途半端に知恵を持ってしまったために、必要以上に怯え、疑心暗鬼になった。 その結果が度重なる同族殺しや狩りへの怠慢。十分な食料を集められたゆっくりはどれほどだろうか? ぱちゅりーは、何も考えずに寄生されることができる芋虫が羨ましくなった。 しかし、もはや後の祭りである。この考えを伝えようにも、春までは生きられないのだから。 冬が終わり、春になった。 多くのゆっくりが餓死し、多くのゆっくりが越冬に成功し、交尾をして子を育み始める。 だが、誰も彼もが寄生バチへの恐怖に怯え続けていた。 もうこの森からは、ゆっくり達の幸せな声は聞こえない。 終 過去作 ゆっくり鉄骨渡り ゆっくりアトラクション(前) ゆっくりアトラクション(後) ありすに厳しい群れ(前) ありすに厳しい群れ(中) ありすに厳しい群れ(後) 好かれるゆっくりと嫌われるゆっくり このSSに感想を付ける
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暴飲暴食の豚王 5KB 虐待-凄惨 悲劇 ツガイ 群れ 赤子・子供 ドスまりさ 人間なし 独自設定 何回も読み直して書きました。間違いがありましたらごめんなさい (書いた小説) ふたば系ゆっくりいじめ 818 黒いオオカミ~chapter1~ ふたば系ゆっくりいじめ 838 黒いオオカミ~chapter2~ ふたば系ゆっくりいじめ 851 黒いオオカミ~chapter3~ ふたば系ゆっくりいじめ 894 ゆっくりが知ってはいけない、鬼ごっこ ふたば系ゆっくりいじめ 916 インフェルノ・ペスト △注意事項△ お食事している人はこれを見てはだめですよ。 ちょっとグロっぽい(?)表現があり。 駄目だったら、回れ右して戻って下さい。 当店のご来店、ありがとうございます。 私はゆ虐待レストランの支配人マッドと申します。 えっ?なんだか、餡子の匂いがしますって? ああっ失礼。 先程、ゆっくりが侵入して野菜を無断で食べていましたが唐辛子を食べていたので被害は全然、ありませんでした。 さてさて、ゆっくりは貪欲に物を食べますね。蟲、花、野菜など。 ですが、当店に来るお客様も相当なグルメキングがいます。 それが今回の物語。 =暴飲暴食の豚王= ここは深き森林地帯。 ここを抜けると草原が広がっておりゆっくり達の集落があった。 虫や草、木の実などが一杯あり食べ物も困らなかった ここには人だって来ないし、捕食動物いない。 更にれみりゃ、ふらん、ゆゆこだっていない。 まさにゆっくり達にとって最高のプレイスというわけだ。 ・・・・そんな幸せの日が地獄の日に変わると知らずにだった。 林の方からバキバキと倒れる音とズシンッズシンッこっちに向かってくる音がした。 「な、なんなんだぜ?」 このプレイスの入口に現れたのは身長が4mの体の色が黄色い豚の頭を持った怪物だった。 王冠を被っており深紅のマントに下半身は四足歩行のドラゴンの様、手には杖を持っている。 「ブォーノ!!ブォーノ!!今回はこれだけ集まったか。この地獄の大食漢オーカス様がお前たちを喰らってやるぞ!!!」 何処から出したのか大きなフォークとナイフを持ち近くにいたれいむをフォークでブスリッと刺した。 「ゆぎゃ゛あ゛あ゛っ゛!!」 フォークで刺したれいむを自分の口まで持ってきて一口で食べた。 他のゆっくりは何が起きたか解らないが3分経ってようやく事態を把握した。 「「「「「ゆわああああああああっ!!!!どぼじでぞん゛な゛ごどを゛ずる゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!?」」」」」」 森が響き渡るほどの大絶叫だ。 しかし、オーカスはそんなことも気にせず次のゆっくりを食べようとフォークで突き刺してバクバクと食べる。 赤ゆっくりはフォークで刺すのは無理なので20匹も入るスプーンを使って食べる。 「がわ゛い゛い゛、れ゛い゛む゛をたすけてね!!おねがいぃぃぃぃ・・・・」 「「「「「きょの、くしょぶた!!ゆっくちちんでねぇ・・・・・」」」」」 「ま、まりさはおいしくないんだぜ!!たべるなら、ゆわぁぁぁぁ・・・・」 「ごん゛な゛の゛どがいばじゃな゛いわ!!だずげでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛・・・・」 「わぎゃら゛な゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!だずげで、らんしゃまぁぁぁぁ・・・・」 罵馬としても命乞いしても怪物は食うのやめない。 そして、群れの長であるドスまりさが動き出す。 「皆、避難してね!!ドススパークを撃つよ!!」 ぼうしからキノコを取り出してむーしゃむーしゃと咀嚼して口から光が溢れている。 狙うは豚の怪物の腹。 「ゆっくりしんでねぇぇぇぇぇ!!!」 口からドススパークが放たれてオーカスに直撃したが・・・焦げた跡も無く、また食事を再開した。 この皮膚は頑丈に出来ているのだ。 例え、ドススパークを放ったとしても大したダメージも与えられないのだ。 「ゆがーん!!!!どぼじで、ぎいでな゛い゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!?」 「ブォーノ!!ブォーノ!!五月蝿い奴だな。少し早いがメインディッシュだ!!」 ナイフを持って縦一閃にドスを斬る。 縦に切られたからドスは悲鳴もあげずに絶命したのだ。 そして、本当に何処から出したのか巨大なガスコンロを取り出して半分に切ったドスをフォークで刺してガスコンロの炎で焼く。 表面がコンガリと焼けたら一口で食べる。 「ブォーノ!!これは絶品だ!!」 もう、半分も同じように調理して平らげた。 「ブォーノ!!後少ししかないが、一気に喰らってやる!!」 オーカスは大きな口を開けて息を吸い込み始めた。その勢いは凄まじく、まるで嵐の如くだった。 「「「わーい♪おそらをとんでるみた…ゆぎゃああああああ・・・」」」 「「「「「おぎゃあああじゃああああああん・・・」」」」」 「までぃざのぼおおおおじいいいいいいいい・・・」 「もっどゆっぐじじだがっだぁぁぁぁ・・・」 「ま、まりさはまずいだぜえええええええええ・・・」 「ぺえええにいいいずうううううううううう・・・」 「わがだないよおおおおおおおおおお・・・」 「らんしゃまあああああああああああ・・・」 「でいぶのおりぼん…ゆぎゃああああああああ・・・」 逃げ遅れたゆっくりたち、遠くへ逃げようとしたゆっくりたち、家の中に逃げ込んだゆっくりたちまでも…全て食いつくされて後は何も無くなった 家の中に逃げ込んだゆっくりたちまでも… しかし、咀嚼された方が幸せだったのかも知れない。 ・ ・ ・ ・ 食べられたゆっくりはオーカスの胃袋へ入るのだ。 もちろん待っているのは消化地獄。 胃酸の雨が降り注ぎドロドロと溶けていくのだ 「ゆぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 「あづい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「も、もっちょ、ゆ・・ゅ・・・」 「あがぢゃ゛ゃ゛ゃ゛ゃん゛!!じっがぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「ベニズぅ゛゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛」 食べられても後でも地獄が待っているのだ。 ・ ・ ・ ・ 「ゲッフー。余は満足じゃー。さてと、・・・オーク共!!」 後ろから豚の頭を持つ醜悪な怪物オークの群れだった。 洞窟を作ったり、果物がなる木を植えたりと作業をしていた。 最後にオークたちは寝ている20匹のゆっくりたちをそっと置いて完了。 もう、お解りだろう。この場所はオーカスのバイキング場なのだ。 オーカスの無限の貪欲による食料被害をどうにかしよう魔界の政府は物凄い繁殖するゆっくりに注目した。 ゆっくりの適応した環境地域を作り、食料に困らないよう花、蟲、野菜などを作る。 もちろん、オーカスは喜んで承諾した。 そして、ゆっくり達が多くなった時にオーカスの地獄バイキングが始まるのだ。 =あとがきだより= さて、いかがだったでしょうか? ゆっくりゆゆこもビックリするくらいのグルメキングデビルがこのオーカスなのです。 実はオーカスは崇められていた存在でしたが中世のヨーロッパでは悪魔として堕しめられたのです。 では、オーカスに関するデータを載せますのでじっくりとご覧ください。 =悪魔事典= 名前 オーカス 種族 邪神 出身地 ローマ 解説 ローマ神話の死神。 頭は豚で背にはコウモリの羽を持つ。好物は自ら殺した死体。食欲の権化ともされる。 本来は死とそれを賭けて宣誓を行うエトルリア由来の神格であり、誓いを破る者には当然死が訪れるとされた。 冥界神であるプルートとも同一視されていた。 しかし、豚顔や暴食のイメージが伴うのは豚の生贄が捧げられる中世ヨーロッパの悪魔としての姿と、更には指輪物語に始まるオークのイメージに拠るところが大きいだろう。 そのため畏れられる魔神は恐れられる悪魔に堕ちたのである。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る メガテンに謝れ。 -- 2012-09-29 17 18 02 あばばばばばばばばばばば -- 2012-08-24 22 30 16 なんと可哀想な神様なんだwwwww -- 2012-03-19 21 49 11 むきゅ~、ちゅーにびょーさんはいつかかならずゆっくりできなくなるのよ しかもはじめはとってもゆっくりできるの わたしのかんちがいだったらいいけど… で、SJばっかりだけど他のシリーズはないの? 新参乙って言った方が良いの? これオーカスの話してるだけでゆっくり限りなく関係ないよね? -- 2012-02-04 19 22 43 すげーつまらん -- 2011-10-18 18 26 54 貶められた神格と聞くとカンピオーネ!を思い出すな -- 2011-07-03 19 44 23 セクター・カリーナかwwww面倒だったわwww -- 2011-01-08 01 18 38 メガテンかw ゆっくりもこういう役立ち方があるのね。ワロタw -- 2010-11-28 17 49 00 メガテンSJかwwwワロタwwww -- 2010-08-09 23 57 13 真・女神転生if? -- 2010-08-03 10 38 31 わけわからん。 -- 2010-07-26 03 23 18 ↓おにいさんやめてよー!ちぇんはたべてもおいしくないんだねー!だからおーかすさんといっしょにSSさんのなかのちぇんをたべてねー! -- 2010-07-14 13 59 41 ↓ちぇん喰っていいかな? -- 2010-07-14 12 12 52 お前らの目玉は腐っているのか?不快になる発言をするなよ。馬鹿なの?死ぬの? -- 2010-07-12 14 24 21 ゆっくりを絡ませる必要無くね?お兄さんの居場所はここじゃないよ! -- 2010-07-07 00 48 29 このSSさんのおもしろみがちぇんにはりかいできないよー。おにいさん、ちぇんにおしえてほしいよー。 -- 2010-07-04 10 52 13 あれ?その程度の少食で「食欲の権化」?…西行寺 幽々子 って知ってる? -- 2010-07-03 16 13 23 で、なに? -- 2010-06-15 20 58 27
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喋るな 7KB 制裁 自業自得 家族崩壊 ツガイ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 現代 虐待人間 オリジナル性皆無… 「ゆっくりしていってね!!!」 そんな甲高く耳障りな声で、男は午睡から目を覚ますハメになった。 初夏の日差しが暖かな庭先。 ロッキングチェアの背から、男は不機嫌そうに上体を起こす。 足もとには下膨れ饅頭どもがいた。 成体のれいむとまりさの番。 そして子ゆっくりと赤ゆっくりが合わせて十数匹。 「ゆっ! やっとめをさましたんだぜ!?」 「ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにするよ! ジジイははやくでていってね!」 「あまあまもってこいジジィー!」 「クチョジジイははやくちんでね! このイシュしゃんはまりしゃのたかりゃもにょにしゅりゅよ!」 好き勝手にがなり散らすゆっくりたち。 無論、こいつらは男が飼っているゆっくりなどではない。 野良のゲスゆっくりだ。 男は溜息を吐いて立ち上がる。 それを見てゆっくり達はゆへへと締まりのない笑みを浮かべた。 「それでいいんだぜ! さっさとまりささまのしかいからきえるんだぜ!」 「ゆぷぷ! おお、ぶざまぶざま!」 「はやくあまあまもってこにゃいとこりょすよ!」 「まりさのぷくーにおそれおのろいたんだぜ!」 「ゆっくちちね! ゆっくちちね!」 十数匹のゆっくりが自分本位にわめいている。 その五月蠅さに男は顔をしかめ、腕を高く振り上げた。 「ゆっ? なにしてるのジ――」 成体れいむの言葉は最後まで紡がれることはなかった。 男の繰り出した手刀がれいむの体の半分にまで食い込み、中枢餡を破壊したのだ。 あまりの惨劇に驚愕で声も出ない周りのゆっくり達。 ようやく辺りが静かになったのを確認し、男は口を開く。 「お前ら――」 「ゆぎゃああああああああああああ!??? でいぶうううううううううううううううううううう!!???」 「おぎゃあぢゃんぎゃああああああああああ!??」 「どぼじでごんなごぢょぢゅるにょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!??」 静寂はすぐにゆっくり達の慟哭で破られた。 目から滝のような涙を流すゆっくり達。 十数匹の泣き声が重なり、鼓膜を劈かんばかりに辺りに響き渡る。 「静かにしやがれええええええええええええ!!!!」 ドン、と地面を踏みつける男。 その振動が伝わったのか、ゆっくり達が黙る。 その隙を見逃さず、男は言う。 「次に喋った奴は殺す! いいな!? 喋るな!!」 「ゆ――」 「俺は喋るなと言ったんだ!!」 反論しようとしたのか、泣き声をあげようとしたのか。 声を出した赤まりさを男は瞬時に踏みつぶした。 「にゃにしゅ――」 「喋るな!!!」 食ってかかった赤れいむを、これまた一瞬のうちに踏みつぶす男。 ここに至ってゆっくり達は人間の強さを理解したようだった。 親であるまりさはしーしーを垂れ流し、声を上げずに涙を流した。 子ゆっくりと赤ゆっくりも同様に、ぷるぷると震えながら地面をしーしーで湿らせた。 男はその様子を見て、ようやく一心地ついたかのように表情を緩めた。 「てめーらよおおおお……」 ぶんぶんと頭を振ったのち、男は親まりさを睨みつける。 「人が気持良く眠ってるのをなんで邪魔しやがったわけ?」 「…………」 まりさは涙を撒き散らしてぶるぶる震えるだけだ。 男はチッと鋭く舌打ちし、三編みされたもみあげを掴んでまりさを持ち上げる。 その痛みにまりさはぎゅっと目を瞑って耐える。 「ったく、ふざけんじゃねぇぞ!」 もみあげを掴んだまま遠心力をつけ、男はまりさを地面に叩きつけた。 顔面から地面に突っ込んだまりさは前歯を空中に飛散させる。 それでも声は出さなかった。 男は少しまりさに感心した。 前歯を折られるほどのダメージを受けて、それでも呻くことすらないとは感嘆に値するだろう。 が、それは更に男を苛立たせる結果となる。 こうなったら、意地でもこいつに声を上げさせてやろうじゃないか。 男は視線をまりさから周囲へと向けた。 男から数メートル離れたところに、ゆっくりの子ども達がいる。 こちらに背を向けて、一目散に逃げている最中だった。 「ゆっくちはやきゅにげりゅよ!」 「ジジイにしゅらかてにゃいげしゅおやはゆっくちちんでね!」 「おとうさんはれいむたちのためにしんでね!」 親を捨て石に助かろうとする浅ましき子ゆっくり赤ゆっくり達。 男は悠然と歩を進め、彼奴らの前に足を下ろした。 前方に現れた男を見て、子ども達は恐怖に顔をゆがめた。 「ゆぎゃああああああああああああ!!?」 「にゃんでジジイがこっちにくりゅにょおおおおおおおお!!?」 咄嗟に声を上げたのは子まりさと赤れいむ。 男は二匹を掴みあげ、息つく間もなく握りつぶした。 「喋るなと言ったぞ俺は。あと、逃げても潰すからなお前ら」 手の中で餡子に変わり果てた二匹を、逃げようとしていた子ども達の前に放る。 ミンチ状態の家族だったものを見てしーしーを漏らす子ども達。 「ゆ……ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ♪」 突然、赤れいむが壊れたように笑い始めた。 否、壊れたようにではない。 壊れたのだ。 男は指先をその赤れいむの頭に乗せた。 そして徐々に圧迫してゆく。 餡子が押され、顔が真っ赤になる赤れいむ。 口とあにゃるから餡子が勢いよく噴出される。 ゆゆゆゆ…と痙攣して赤れいむは息を引き取った。 子どもたちはその残虐な光景から目を背け震えていた。 親まりさは子どもが殺されるのを歯を食いしばって泣きながら見ていた。 ふん、と鼻をならす男。 恐怖から叫びだすゆっくりはもういないようだ。 ならば、次は搦め手でいこうか。 パンパン、と手を鳴らす男。 ゆっくり達が男に注目する。 男はゆっくり達を見回して言い放つ。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!!」」」」 男のゆっくりしていってね発言に反応したのは一匹の子れいむと、赤ゆっくり残り四匹全部だった。 子れいむはハッと我に返り恐怖に打ち震えている。 赤ゆっくり達は「ゆっくちぃ~♪」などと間の抜けた笑顔を浮かべていた。 男は子れいむを掴みあげ、口内に指を滑り込ませた。 そして口を限界まで開かせ顎を外す。 痛みに目を見開き、ぶるぶると痙攣する子れいむ。 男はそんな子れいむの様子など意に介さず、淡々と赤ゆっくりを捕えては子れいむの口の中に無理やり押し込んでいく。 ソフトボール大の子ゆっくりの口の中に、ピンポンボール大の赤ゆっくりが四匹、ぎゅうぎゅうに押し込まれた。 「ゆぎぃいいい!!!」 「くるぢ……」 「げしゅおやはれいみゅをはやきゅたしゅけろおおおおおおお!!!」 「ゆゆゆゆゆゆ……」 口の中に入れられ身動きの取れない赤ゆっくりが口々に苦悶の歌を奏でている。 子れいむは喋ることも動くことも叶わず、ただ全身に脂汗を浮かべていた。 その子れいむを男は庭の地面に埋めた。 軽く土を盛る程度の浅い深度だ。子ゆっくりでも跳ねれば跳び出せるはずである。 だが赤ゆっくりを口に詰められ、限界まで皮の張った子れいむのあんよは動かない。 このままゆっくり死んでいくのみである。 さて、残ったのはあと親まりさと子れいむ一匹、子まりさが二匹だ。 親まりさは必死に逃げようとしていたが、地面に叩きつけられた時の衝撃で全身の餡子に支障を来し、痙攣して動けずにいた。 子ゆっくり達は全力を以て逃げていたが再びあっさりと男に前方を遮られてしまった。 「逃げても潰すって言ったよな俺?」 男が問いかけると、子ゆっくり達は今日何度目になるかもわからないしーしーを漏らした。 目を見開き、ぷるぷると体を横に振る。 助けてください、許してくださいと懇願しているようだった。 「許してやってもいいんだがな~」 男の言葉に子ゆっくり達は希望に目を輝かせた。 「なんて、嘘だよバーカ」 子まりさを一匹踏みつぶす。 希望から絶望のどん底に落とされた子ども達は遂に、 「ゆんやあああああああああああ~~~~~!!!」 「もうおうぢがえるううううううう~~~~!!!」 大声で泣き始めてしまった。 その泣き声の耳障りなことと言ったらない。 男は二匹を持ち上げ、顔と顔を押し付け合わせた。 ちょうどキスでもするような形だ。 「ゆぶぶぶぶぶぶぶ!!!」 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぃ!!!」 徐々に力を込めて行く。 「ゆびぃいいいいいいいい!!!!」 「もっぎょゆっぎょりじゅぢゃぎゃぢゃあああああああ!!!!」 圧迫に耐えられず、二匹の体は弾け飛んだ。 男の両手が完全に合わさる。 姉妹の顔を見ながら死ねたのだ、本望だろう。 さて、残るは親まりさ後一匹。 じっくり痛ぶってやろう、と男は口の端を吊り上げた。 痛ぶって痛ぶって、もう殺してくださいと口に出させてやる。 これが、たかがゆっくりが人間様の眠りを妨げた報いだ。 終わり 目覚まし時計に起こされるのさえ不快なのに、 ゆっくりの声なんかに起こされちゃったらヒャッハーしても仕方ないよね。 無声ゆっくりもゆっくりできないけど、声ありもゆっくりできない。 ゆっくりはゆっくりできないよ! 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 566 赤ゆっくりには罰を トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 根拠はなくても、まあ大体れいむが悪いよね -- 2016-02-29 01 12 54 まりさこれは仕方がない -- 2016-01-07 22 53 44 あっさり系か -- 2014-07-21 16 32 29 これは仕方ない当然 いい作品グット!! -- 2012-07-22 16 08 36 これはwww 床が大変そう…www -- 2011-06-04 06 13 04 後片付けが大変そうです -- 2011-05-10 02 14 52 もっとヒャッハーしようぜ -- 2011-03-24 03 35 13 とてもゆっくりできました!大変面白かったです! いろいろ凝った設定や独創性溢れるSSも面白いですが 私はいわゆるテンプレ展開のSSが一番好きです テンプレとは優れているからこそ残っている先人の英知の結晶ですから また同じテンプレ展開であっても 作者様のクセ、表現、嗜好が違えば全く別作品として楽しむ事が出来ます -- 2011-03-01 12 14 09 ふむ…親まりさかしこいじゃないかw そこかしこさが何処まで持つか楽しみだな。 -- 2010-10-17 21 58 45 眠ってるとこ起こされたにしてはやさしいね。 -- 2010-08-12 07 02 08 わかるよー。 3日間、不眠で仕事➝やっと帰宅できた➝風呂➝布団へGO➝近所のガキがうるさくて眠れない。 うん。殺したくなるよ。安眠妨害は生存権の侵害だよ。 -- 2010-07-15 17 48 48 微妙ぉー -- 2010-06-30 21 35 03 うーん -- 2010-06-20 00 24 58 薄い。 -- 2010-06-09 01 05 13